20話 ごめん ページ22
Aside
“ばかみたい”ってのが最初の感想だった。
今更言い訳するつもりなんて微塵も無かったけど。
多分2人とも大した理由はなかったけど。
今日もいつも通りだったけど。
そう、いつも通り。
なはず、だった。
────
──
ー
雨が降っていた。
ザーザーと鳴っているそれはうるさいくらいなのに、まるで今この瞬間のためのBGMかと思った。
大雨、そんな気分だった。
別に悪い気もしなかった。
いや、むしろよかったと思った。
だけど罪悪感だけが残っていた。
誰に──とか、そういうレベルじゃなくて、なんだか全世界に申し訳なくなった。
悪いことでは無いはずだけど、どうしても悪いこととしか感じられなくて、
なぜかとても泣きたくなった。
泣いたって罪悪感が薄れるわけじゃないけど、泣くのが真夜中らしくていいかなーと思った。
そんな単純な思考回路がどこかばかばかしくて、情けなくて。
でもそれは隣の男も同じらしい。
ま、軽く言えば賢者タイムだったのだ。たぶん。
どうしてこうなったのか。
彼は家に呼んだ私が悪いとでも言うのか。
私にも非があれば、彼にもあるだろう。
わざわざ彼のせいにする気も起きない。
ほんとに疲れていた。
国見「A、どうかした?」
…わかってるくせに、
でも今日は国見の声が心地よかった。
夢『あーあ、やっちゃったね国見。』
呆れているからか、それとも自暴自棄になっているからなのか、さも終わったことかのように吐き捨てた。
国見「そういう事じゃなくて。暗い顔してたから、」
夢『ふふ、桃ちゃんの話からどうしてこんなことになったのかなーって、面白くない?』
国見「俺は別に自然だったと思うけど」
夢『ばーか、自然すぎて面白かったってこと。』
国見「……A。」
夢『……。くにみー、私は敬語を外す許可をした覚えはないのだよ〜?』
国見「Aが俺のこと、呼び捨てするまで呼ぶつもり。」
夢『?国見って呼び捨てしてるけど。』
国見「…下の名前。」
ピキっと凍った気がした。
夢『ね、ねぇ。超超衝撃ニュース教えたげようか?』
上擦った声と冷や汗。やばい、やばかった。
国見「…はぁ、もうだいたい想像できたので大丈夫です。」
そう!私は国見の下の名前を知らなかったのだ!!
夢『うぅ、ごめん!!』
国見「はぁ、先輩が下の名前も知らない人と寝るビッチってことはよく分かりました。」
もはや自爆したも同然。
国見、マジごめん。
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あお - こうゆう感じのヒロインちゃん好きです!w面白かったんで次の投稿待ってます! (2022年12月17日 21時) (レス) @page1 id: c241688681 (このIDを非表示/違反報告)
ななサマ - ドロドロ系新鮮で推せる。投稿待ってまーす!! (2022年10月10日 23時) (レス) @page20 id: 3d9458003a (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - やべー。ヒロインちゃんと名前似てるwwwww後から夢主ちゃんが好かれるタイプの小説大好きだわ (2022年10月9日 15時) (レス) @page2 id: 11775f8b13 (このIDを非表示/違反報告)
URAN - 及川さんが真前でキスしとるんやったら連写するわ。あと主様よこの小説面白すぎんか私大好きです!!これからも頑張ってください。 (2022年9月26日 4時) (レス) @page20 id: 38df0baeed (このIDを非表示/違反報告)
ニコリ - とっても面白くて、続きがたのしみです。 更新を楽しみに待ってます。 (2022年9月6日 22時) (レス) @page15 id: 84fc6c592a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ううさん x他2人 | 作成日時:2022年8月22日 23時