第拾壱話 ページ12
「どうしよう…」
炭治郎と逸れた…←
気付いたら人気の無い岩場に来てた…。後ろを付いてきていたはずの炭治郎を置いてきちゃった…。
「あぁ〜早とちり、紅の悪い癖だぁ…」
炭治郎ごめん…と呟いて歩き出す。が、足が止まった。
「血の匂い…!」
鼻をつく鉄臭い匂い。紅緒は岩場をぴょんぴょんと渡り切ると、匂いがする方角に向かった。
木々を抜けると、拓けた場所に出た。
そして其処の光景はー…
「………ぁ」
地獄、だった。
目の前には真っ赤な血が大量に飛び散っていた。
そして数多の死体。
そして死体を貪り食べる、鬼。
「〜〜ッ!!」
頭に血がのぼる。
すかさず紅緒は地を蹴ると鬼の頸目掛けて蹴りを振り抜いた。
が、鬼はすんでのところで紅緒の足を躱し、距離を取る。
鬼「ヒヒッ、今夜はツイてるなぁ!美味そうな飯が次から次へとやってくる!」
「黙って、不愉快」
紅緒はそう一言だけ言い放つと鬼に再び攻撃を開始した。
鬼はその悉くを躱した。
そして、自慢の爪で若干体勢が崩れた紅緒の額を引っ掻いた。
「いっ…」
紅緒の額から血が流れた。紅緒は額を押さえて木の上にとびのく。
「(流石に呼吸無しで倒せる相手じゃ無いか…)」
冷静に思考する紅緒。
その紅緒の血の匂いに、鬼が反応した。
鬼「この匂い…お前まさか、稀血か!!ヒヒッ、本当に今夜は運が良い!稀血…喰えば俺はさらに強くなれる!!喰わせろ…喰わせろォォォ!!!」
鬼は木の上にいる紅緒に飛び掛かる。
しかし紅緒は木を蹴ると宙で一回転しながら鬼を躱した。
「半分正解、半分間違いだよ。私は稀血なんてご大層なもんじゃ無い」
紅緒の口からシィィィィィ…と独特な呼吸音が漏れる。
鬼が宙にいる紅緒に再び飛び掛かる。
「さよなら。ちゃんと成仏してね
色の呼吸、参ノ型・黄色ノ鎮魂花」
紅緒の下駄の刃が鬼の頸に突き刺さる。そのまま鬼を地面に叩きつける。
バツン
と地面に叩きつけられた衝撃で鬼の頸が飛んだ。紅緒は勢いを殺しきれずに前に投げ出される。が、上手く一回転して着地した。
背後では鬼が灰となって消えていった。
「あーあ、やり過ぎた。というか、もうちょっと早く終わらせられたのでは…?」
100秒目標だったけど110秒かかった、10秒遅れたと紅緒は青之進がくれた懐中時計を見つめながら言った。
「ま、いいか。取り敢えず、川に…」
善「…紅緒ちゃん?」
「え……
善逸くん?」
なんで彼がここにいるんだ
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キトラ - とても面白かったです。頑張ってください! (2019年8月16日 4時) (レス) id: 60abaaffa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:文学少女 | 作成日時:2019年8月12日 23時