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第十六話 ページ17

「ゴホン、…ところで、よっちゃんはどうして帰ってきたの?」

ナイスA!!

彼女もこの状況を気まずく思ってか助け舟を出してくれた。

「…あー、俺は母さんから「父さんが怪我した」って連絡が来てさ、急いで帰ってきたんだよ」

「え!?よっちゃんパパどうしたの!?」



全然気づかなかった。

見たところ元気そうだし、食事も普通に取れてる



「いやー、一昨日階段から足を滑らせてしまってなぁ〜足の骨にヒビが入ったんだよ」

机の下を除くとよっちゃんパパの右足にギブスが巻かれていた

「ったく…俺は急いで帰ってきたのに…」

「世一には心配かけたな、すまんすまん!」

「でも大したことなくて良かったわ〜」









その後も色んな話をしながら食事を終えた。

洗い物を手伝おうとしたが、たまには幼馴染二人でゆっくりしなさい、と手伝わせてくれなかった


よっちゃんパパママは知らない。
ついこの前、私がドイツの彼の家に勝手に住み込もうとしたことを



「ねぇ〜よっちゃん、暇〜」

ベッドに寝転がってスマホを触る世一
そのベッドの下でクッションを抱えて寝転がるA




「…何でAが俺の部屋にいんだよ?!」

お前の部屋隣だろ!と叫ぶ世一


「だって、一人退屈なの」

「お前そんなんでよく一人でホテル生活しようとか考えたな」

「明日には出ていくよ。もうよっちゃんパパママには迷惑かけれないもの」

彼女のどこか一点を見つめた瞳
少し悲しそうな目をしていた


「…別にいいだろ。」

「へ?」

「ここは俺の実家だけど、お前の実家でもある。好きなだけいればいいよ。父さんと母さんも喜ぶし」

俺はすぐにでも練習戻りたいから明日には帰るけどね、と付け足した


「え、よっちゃん帰っちゃうの?」

「当たり前だろ。オフシーズンでもないし、練習中抜けて来たんだから」

彼が練習中に抜けてくるなんて、余程お父さんが心配だったんだろう。本当に軽い骨折で良かった。


「…優しいね、よっちゃん」

クスリと笑う彼女に世一は目をそらす


「…別に。」


Aは両親を幼い頃に失ってる。俺はその痛みを分かってあげられないし、もうこれからも傷付いてほしくない。

まるで本当の親のように彼女を育てた両親__俺の父さんと母さんを俺も大事にしたかった。

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沙羅(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新待ってます! (4月7日 0時) (レス) @page21 id: e669b9fbcc (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - 神かよ!!!!!!! (8月24日 9時) (レス) @page15 id: 097fc38870 (このIDを非表示/違反報告)
YUY - うわ最高 この作品のみひゃ最高すぎてまじ神(語彙力皆無)更新待ってます!頑張ってください!! (2023年2月19日 11時) (レス) @page12 id: 2b504e2cbc (このIDを非表示/違反報告)
- カイザー優しい♥️ 最高ですか? (2023年2月14日 17時) (レス) @page9 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)
- ヤバいヤバい続きが気になるーーーーーー (2023年2月5日 22時) (レス) @page6 id: 1f3484379a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかお2号 | 作成日時:2023年2月5日 2時

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