彼女はカンタレラ【ブルーロック】

第三十一話 ページ40

さっきからなんなんだコイツ‥

潔は訝しげにカイザーと名乗る男を睨む

どうやらAさんとカイザーは面識があるらしい。
どういう関係なのか、それは二人の醸し出す雰囲気から聞くことはできそうにないが、"ただの知り合い"というわけではなさそうだ


俺のシュートしたボールに狙って当てた挙句、ブルーロックにいる俺達を馬鹿にしてくるカイザー


なんかコイツめちゃくちゃムカつく‥！


『いいぜ、やってやるよ』



















キックオフは潔から始まった


今までカイザーとは闘ったことなんて一度もないし、ましてやどこのチーム所属かも知らない

だけど、Aさんと知り合いってことはドイツのクラブチーム‥

もしかして、バスタード・ミュンヘンのチームなんだろうか？


だとしたら、ワクワクする‥！

闘ってみたい。カイザーはどんな奴なのか

カイザーは自分から見て斜め右の位置

ここからどう動こうか‥

まだカイザーの特技も分からないから下手には動けない

‥だが

今の俺の武器を全力行使して、絶対に勝つッ！！



『おい、クソ雑魚。そろそろ取っていいか？」


は、‥‥？


気づけばボールは消えていた

どこだボールは！？


ピーっ

無機質な機会音がコート場に響く

これは‥この音は‥

恐る恐る後ろを振り返った



俺がさっきまでキープしていたボールは、


俺側のゴールに転がっていた



アイツ‥この位置から撃ったのか？

速すぎて対応できなかった

というか、ボール奪ってそのまま直でシュートした？

振りも早すぎないか？そんなの見えなかったぞ


まだ開始３分

たいして走ってもいないのに汗が止まらない


カイザー(こいつ)‥天才だ‥！


世界にはこんな奴らがいるのか‥？


ボールキープすらできず、ボールを奪われてシュートを撃たれたことにすらも反応が遅れた俺に‥


俺はバケモノ(こいつ)に勝てるのか‥？




『ハッ、こんなもんか？んー？』

クソ、守るので精一杯だ
取られたら絶対決められる

「‥ッ、クソっ！」

『‥遅え』


ピーっ


また決められた‥

てか何だ？アイツの目

空間認識能力？

‥いや、同じようで全く違う。
カイザーのあの目‥一体アレは何なんだ？

ボールを全く見ておらず、何か他のものを見ているようだ



彼には一体何が視えている(・・・・・)？

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