彼女はカンタレラ【ブルーロック】

第十七話 ページ19

別に彼とは何年ぶりの再会というわけではない。
ドイツとスペインは何かと近いし、どちらも強豪なため、
練習試合の時に当たる時がたまにあった。

初めて出会ったのはまだ小さな頃
まぁ、またそれは別の話になる。


「なんでここに‥？」

「お前こそドイツの方はどうしたんだよ？浮気か？」


「バスタード・ミュンヘンとは契約切ったわ。今度は日本に肩入れしてるの。青い監獄(ブルーロック)計画‥‥結構炎上してるんだけど、知らない？」

いたずらっぽく笑いながら言ってみせる

「知ってる。会見見た」

「‥というか、入館許可証貰ったの？」

「は？そんなモンいるのかよ？」

「いるわよ。それがないと監視カメラが不審者と認識してすぐに警備が来る、はずだけど___」


監視カメラを見ると何も反応なし
おそらくその向こうには絵心がいる



「‥関係者だからいいのかしらね、」

まぁいいや。もし警備が来たらそのままスペインに飛ばしてもらおう


「私が答えたんだから今度はアンタが私の質問に答えなさい？」

「はいはいお嬢様」

「それやめてくれる？ちょーウザい」

彼はわざとらしく肩をすくめた

彼と私はいつもこんな感じだ。
年が近いせいもあり、向こうも私もかなり喧嘩腰なことが多い。まぁ、女性ファン達のように冷たく遇らわれていないということは嫌われているわけではないのだろう


「本当はパスポート切れたから仕方なく戻って来た。でも気が変わった。
俺がこの目で見てやることにした。____どんなFW(バカ)が誕生するのかをな」


「へぇ、そう。それで？いいバカはいた？」



「いねーな、どいつもこいつもクズばっか」

つまらなさそうにため息をついた彼


「凛くんは？」

「は？ふざけてんのかテメー。あんな奴が一位の時点でこの青い監獄(ブルーロック)計画は失敗だ。アイツは世界一のストライカーになんてなれねぇ。」


「現時点(・・・)ではでしょ？まだ分からないわ」

「いいや、分かるね。アイツは俺を超えることなんてできない」


「相変わらず仲の悪いこと」

呆れたように笑う彼女を睨みつける冴
そんな睨みにも彼女は動じない






「ねぇ、アンタに見てほしい子がいるの。青い監獄(うち)では手に負えなくてね」

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