彼女はカンタレラ【ブルーロック】

第九話 ページ11

「っ、ちょっと凪くんまだ寝ないで‥！」


マネージャーの仕事に関しては難なくこなしてきた彼女だが、今までドイツでも190超えの人間を一人で運んだことなんてない。しかも相手は寝落ち寸前でほぼ全体重がかけられている。


なんとか潰されないように、彼の肩を持って足を踏み出す





「‥‥お前ら、何やってんの？」

「‥‥ん、レオだ」

「れ、玲王くん！よかった良い所に‥」

あらゆるプレイに対応できる"器用さ"が武器の御影玲王
チームVの222位
彼も私が期待している選手の一人だ。

「ったく、凪のやつ食事持ってきてやったのに席にいねーから。ありがとよ、A」

「よかった、じゃああと任せていい？私まだ仕事残ってるし」


「おう、じゃあな」













御影玲王と凪誠士郎

御影玲王は御影コーポレーションの御曹司
幼い頃から何もかもが手に入り、試合ではどんなプレイにも対応できる器用さを武器とする。
一方で、凪誠士郎はサッカー歴半年にも関わらず、桁外れのサッカーセンスを誇る天才。

この二人は足りないものを補い合い、二人だからこそその強みを発揮できている。現時点(・・・)では。

御影玲王の凪誠士郎に対する執着心が少し心配だが、今後2人がどう自立して己のサッカーをするのか楽しみなところである。

私の役目は選手達の生活ケアと体調管理、そして選手と接触を図ったり、マネージャーとして試合を観戦して選手達を観察し、細かい分析を行う。

私の報告が今後の絵心のプロジェクトの材料となり、青い監獄(ブルーロック )計画は進められるのだ。

ドイツにいた頃もそうだった。たった一人で選手達の食生活から個人に沿ったトレーニングメニューまで考えていた。ブルーロックでは食事の方は首を突っ込んでいない。下位の人達の栄養バランスが気になるが、絵心曰く競争心を高するためらしい。

「マネージャーは役者じゃねーよ」


「お前に興味無くなったわ」


ふと蘇った記憶に
ギュ、と拳を握りしめる。


「私は‥‥負けない。絶対勝つ。いつか日本サッカーがアンタらをぶっ潰す」

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