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「失礼ですけど、Aとはどういったご関係ですか?」

それ一番聞かれたくないやつ!

さっきまで知らんぷりしてた吉沢くんが興味津々に前のめりで聞いてる。
絶対今度シめてやる。

「ご関係ねぇ…」
呟いて、私の方をちらりとみる。

あわあわしてる私の顔をみて、中村さんが堪えきれず笑いだした。

「あははは、いや、なんだろう?飲み友達?保護者?」

「お付き合いされてるとかじゃなくて?」

「どうだろうねー、ふふふ。事務所通してくださーい」

はぐらかされた返事に菅田が不満そう。

「倫也ー、そっちで飲むのか?」

不穏な空気なんて知らない熊さんがカウンターから声をかける。


「いや、邪魔しちゃ悪いし。俺奥いくわ。じゃあねまた、」
とにっこり営業スマイルを見せて奥の個室へ消えていった。

緊張がとけて思わず大きく息を吐く。

「奥に個室なんてあったんですね。Aさん知ってました?」
「え、うん。」
「へぇー」

さっきから黙ったままの菅田。なんか考え込んでる。

「菅田?」
「ん、おお、わりい。何でもない」

それからは、私の考え過ぎだったかな?と思うくらいいつもどおりの菅田だったから、そんなこともすぐに頭から消えていた。


お店の時計の針が12時を指そうかという頃。ふわぁと大きな欠伸がでた。
んん、眠い。

菅田と目があって、ふ、と笑われた。


「そろそろ出るか、今日はオレのおごり」
「いいんですか?ごちそうさまです!」
「菅田、私も払うよ」
「いいいい。こないだのお礼なんだからお前が払ったら意味ねぇじゃん」

ここで払う払わないとこれ以上言い争うのも違うなと思って、

「じゃあ、お言葉に甘えて。ごちそうさま」
とペコリと頭を下げた。


菅田がお会計を熊さんにお願いしてる間に
お手洗い行く。

トイレがあるのは個室の 斜め向かい。

ここに中村さんがいる。

挨拶くらいして帰る?
個室のドアの前で少し考えて、やめた。

後で電話してみよう。もしかしたらちょっとくらい会えるかもしれない。

トイレの方に向き直ったその時、個室のドアが開いて中から伸びてきた手に勢いよく引きずり込まれた。



引っ張られた勢いでそのまま個室の畳の上に倒れ込む。

気付けば、一瞬で冷たい瞳で私を見下ろす中村さんに組み敷かれてた。



「な、かむらさん?」



「こんなエ ロい服きて他の男となにしてんのかな?」

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作成日時:2019年3月19日 20時

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