78. まだ好き ページ28
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外も暗くなって皆ぞろぞろと帰りだした。
ジョンウは午後から出張で、直帰だったみたいでもうここには戻ってこない。
残っているのは、私とシューシーだけ。
長い足をだらんと伸ばして「やりたくねー…」と呟いているシューシーを横目に、私は嫌な考えを振り切るべく仕事に熱を注ぐ。
6時頃皆が帰って、私が仕事を終わらせたのは9時。シューシーはまだ何も。
「おわった…」
「終わった？！帰ろーぜ」
「シューシー何にもやってない」
「大丈夫大丈夫。明後日までだから。あと1日ある」
「私助けてあげないからね…」
「じゃあ今やる」
最初から私の助けありきだったのかよ、と思いつつもまあそれがシューシーだしなと許してしまう。
第一、私の話を聞いてくれる唯一の人でもあるし。
「ちが、シューシー予算出してから」
「あそっか、え？じゃあここは」
「ここは空白」
「もーわかんねーーむりーー」
夏休み最終日の弟の宿題を見てあげるみたいな気持ちでなんだかんだシューシーの仕事も終わらせて、
再び時計を見たら10時半を回っていた。
「…モモ、付き合わせてごめん」
「ほんとだよ！まあ許すけど。シューシーも私の相談乗ってくれてありがとう」
私がそう言うと子供みたいに満面の笑みで笑って、さ！帰る！と言って立ち上がった。
「俺車だから乗せてく」
「あ、ありがとう」
「ステイ！良い子だからうごくな！わかった？」
「犬じゃないんだから…ここにいるよ」
少しして車が到着して、私は助手席に乗り込む。
走り出しても黙ってただ窓の外を眺めていたら、シューシーが私の名前を呼んだ。
「モモさあ」
「ん？」
「ジョンウのことまだ好き？」
「…」
好きだよ。大好きだよ。
過去に戻れないかなあと思ってるよ。
席替えなんてしなきゃよかった。
「…すき」
「ふーん」
「戻りたいなって思っちゃう」
「…」
ああ、まただ。
ジョンウのこととなると、蛇口を捻ったみたいに涙が溢れてくる。
「も〜、泣くなよ」
「ごめんってえええ」
「忘れるんじゃなかったのかよ！」
「そりゃ私だって忘れたいけどさあああ」
もー！と言いながら笑ってティッシュを渡してくるシューシー。やざじい。あじがどう。
遠慮もなく鼻をかんで呆れられてお互いに笑っていたら家に到着して、私は車から降りた。
「じゃね、お疲れ。スプーンやれよちゃんと！」
「うん、ありがとう。気を付けて」
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もゆ - 神作品の記念すべき400票目の投票をさせていただきました…！2作品分？一気に読んだのですがもう、他ペンの私から見てもジョンウってこういうあったかい人やんね〜っていう謎の共感?!というか人柄が綺麗に表現されてて感動しました！ありがとうございました！！ (2021年5月21日 0時) (
レス) id: a156f1d191 (このIDを非表示/違反報告)
Sar - やっぱり天才です(涙) (2021年5月10日 16時) (レス) id: 3eb67c9a03 (このIDを非表示/違反報告)
peko(プロフ) - はじめまして！面白くて一気読みしてしまいました！(笑)結末まで可愛いのがさすがキムジョンウ！ってなりました！！キュンキュンもありモヤモヤもあり…でもキュンキュンさせてくれる素敵なお話でした！どうか結婚まで…と続編を希望してます！笑笑 (2021年4月29日 21時) (レス) id: a8c9f227dd (このIDを非表示/違反報告)
ハリ(プロフ) - ろんさん» ろんさまお返事遅くなって申し訳ありません(TT) その一言が頂けたことが最高にうれしいです…楽しんで頂けたなら本当に良かったです。読んでくださってありがとうございました(TT) (2021年4月21日 21時) (レス) id: 86d42c940d (このIDを非表示/違反報告)
ろん - 凄いきゅんきゅんしました（しあわせ） (2021年4月9日 20時) (レス) id: 687bfe2f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハリ
| 作成日時：2020年12月18日 12時
