【A3!】舞台から落ちたら演劇の世界にいました４

続・部屋割り争い ページ35

真澄の殺意に満ちた視線を躱し続ける俺。

｢で、部屋割りは？｣

そんな俺たちに呆れたらしく、幸はテーブルの方へと体制を戻すと、焼き菓子を取りながら監督さんの方に顔を向けた。

因みに、今皆が食べているマカロンはもちろん俺のお手製だ。
夏組の皆にもなかなか好評のようで、全員がその手を止める事無く口に運び続けている。

｢美味しい〜！｣

……三角に関してはいつの間に取ったのか。
説教してた筈なんだが？

今度三角形にマカロンを作るよう頼まれたから超笑顔で断った。

｢三角くんが203号室だから……二人のうちどっちかが203号室で後は一人部屋かな？｣

｢｢……｣｣

監督さんの話を聞いて、たちまち真剣に悩み始めた二人。
俺だったらまず三角との相部屋は避けたいし(色々巻き込まれるから)、消去法で絶対一人部屋選ぶけどな。

｢なんだったら二人で201でも｢｢それはない｣｣……だよね｣

監督さんの提案を秒でへし折る二人。
息ピッタリかよ。

というか、本当に何で悩んでるんだこいつら。
気になっていると、椋が飲み物を取るべくソファーから立ち上がった。

ナイスタイミング。
そのまま椋の元へと向かう。

｢あのさ、二人とも一人部屋がいいんじゃなかったっけ？｣

尋ねると、椋は途端に苦笑いを浮かべ何とも気まずそうに口を開いた。

｢それが……二人ともAさんが204号室だって知った途端譲らなくなっちゃって｣

｢は？なんで？｣

あまりの意味不明さに聞き返す。
てか原因俺かよ。

｢二人は色々言ってましたけど、多分普通にAさんと近い部屋がいいんだと思います｣

二人とも素直じゃないみたいで。

小さく笑いながら二人の方を見る椋。
相変わらず訳は分からないけど、とりあえず椋がこの数時間で何かしら覚醒した事は分かった。

いつからそんなメンタリストみたいなポジションになったんですか椋さん。
天馬や三角なんかより全然大人なんですけど……。

｢……俺はいっそ椋と相部屋になりたいよ｣

それか綴か咲也。
この辺とならマジでプライベート安定だと思う。この三人の名前だけでもう平和臭しかしないし。

今度このメンバーでお茶しよマジで。

逆になるべく相部屋避けたいのは至さん三角シトロンさん真澄だよなぁ。
左から順に使われる巻き込まれる疲れる殺される……うん、想像だけできっつい☆

｢えへへ、嬉しいです。僕もAさんの部屋に遊びに行きますね｣

｢よっしゃ待ってる｣

決めた、204号室を天使待機部屋にしよう。

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