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ピンポーン
「あれ?Aちゃん?」
『カノちゃん…』
涼太くんといた時から溢れていた涙は
ホテルの廊下に響き渡る扉の音が消える頃にこぼれ落ちた
なんだかこのまま家になんか帰りたくなくて
でも行くあてなんてそんなになくて
東京で唯一覚えてる住所をタクシーで告げた。
流れ落ちる涙は止まらなくて、
タクシーが目的地に着いた時
ようやく涙は流れることをやめた
そしていつものようにインターフォンを押して、カノちゃんの優しい声に呼ばれてエレベーターに乗り8階へ。
私の涙声に気づいていたのかカノちゃんは扉の前で寒い中待っていてくれた。
「中入ろっか」
『いーの?邪魔じゃない?』
「全く邪魔なんかじゃないよ?笑」
そう言って私の背中を押し部屋に入ってあったかいあったかいリビングへと向かう。
亜嵐「あれ?A?」
「あまりにもかわいくて連れて来ちゃった笑」
亜嵐「涼太のとこ行かなかったの?」
『い、、、行った』
そう言うと私がさっきまで泣いていたことが分かったのか亜嵐くんはこれ以上聞かないでいてくれた。
「ケーキ!たべよ!?Aちゃんいちご好きだよね?」
台所へ向かうカノちゃんもきっと気づいていたんだろうな。
目の前に出されたいちごのショートケーキ。
甘くて甘くてすごく美味しい。
どんどんなくなっていくクリームとスポンジ。
最後に残しておいたいちごも頬張った。
その時広がった甘酸っぱい味。
なぜかそれは涼太くんの笑顔を思い浮かばせて、
やっぱり涙が溢れてくる。
Too love→←The sound of the sad Christmas
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Ritsuka(プロフ) - わたあめさん» わたあめさんコメントありがとうございます!最高に嬉しいお言葉です!!期待にお応えできるような作品になるよう頑張って書いていきます!! (2017年9月30日 23時) (レス) id: ea33a58a10 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - このお話すごい好きなのでこれからも頑張ってください!! (2017年9月30日 22時) (レス) id: 6f9593d8e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ritsuka | 作成日時:2017年8月10日 20時