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「ほう!政宗に女とな!」
小十郎「いや、正式じゃないんですが」
「なんでもっとはやく言わん!引き出物を探してやらねば…はっ!嫁に政宗の小さい話を聞かせてやりたいなあ!」
小十郎「それはやめてあげてくれ」
城にいる彼女、結月が仲間になったと話した途端この早とちり。全然聞いてくれやしない。
「今失礼なこと考えてたでしょ」
小十郎「凄いですね、なんでもお見通しですか」
「考えてたんか!?」
小十郎「貴女が言ったんでしょうが」
他愛ないこんな会話でも幸せを感じる。あの頃から、俺の心はこの人に惹かれているのだろう。
「まあ、政宗なら総大将として相応(ふさわ)しい女の一人や二人すぐに見つかるだろうけどな。小十郎はどうなのよ?」
小十郎「俺にだって、想い人くらいいますよ」
あっ。やらかした。
「…え、ほんまか!?なんだ二人ともめでたいのか!」
顔を赤くさせ、きゃーと手足をばたつかせる。
めっちゃかわいい…げふんげふん
小十郎「そんなことより、貴女はどうなんです!結婚、そろそろ考えたほうがいいんじゃないんですか」
「姉さんは弟の幸せを見届ける役目があるから自分は二の次!」
きっぱり言い張った。この様子じゃ、まだ意中の男性はいないとみえる。
小十郎「…いい方法がありますよ。弟の幸せを間近で見ながら、貴女も幸せになる一石二鳥の策です。」
「ほお!そんなものを思いつけるのか、お前の頭の中凄いな」
小十郎「Aが、俺と結婚すればいいんですよ。」
できる限り何食わぬ顔でいう。顔の筋肉を動かさず、じっとAの目を見つめる。
驚きのあまりまったく動けずにいるAに、さらに追い打ちをかける。ふっと息をかけるようにAの耳元に顔を寄せる。
小十郎「反論しない、という事は『了承』ということでいいんですよね?」
いつからこんな恥ずかしいことができるようになったのだろう。まあやった試しなどないが。
少しずつ自分の顔が火照る感覚がして、彼女から離れると、Aも同様に身体中に熱を帯びているようだった。
真っ赤な頬、小さく開いた唇、戸惑いを隠せない潤んだ瞳、小さく華奢な手。
ああ。そのすべてを、俺だけのものにしたい。こんなに欲が高まったのは初めてだ。
小十郎「さあ。『姉さん』はもうやめて、俺の『嫁』になってくれませんか?」
貴女を俺にくれるなら、俺のすべても貴女のために差し上げます。
さあ、返事は?
【上杉景勝】この気持ちに嘘は、つけない→←【片倉小十郎】もう、可愛いだけの弟じゃないですよ
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ねむいたぴおかは僕“ねむたぴ“(プロフ) - わ、私がまだ小説を書いてない時に見た憧れの小説だ…!めっちゃ面白いです!是非是非続編でも頑張ってください!! (2018年7月27日 7時) (レス) id: 9d49224d89 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 夜月ライ→みなみさん» 夜月さん!今続編の方で【オリジナルフラグをはずしてください】というのありましたよ!早くはずさないと違法報告(?)されてしまいますよ!? (2018年7月25日 12時) (レス) id: caab18a589 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ライ→みなみ(プロフ) - 総合時間事業会社代表取締役社長専属秘書さん» 返信遅くなりました、すみません。コメントありがとうございます!!応援ありがとうございます!この作品や、ゲームを通じてもっと作品が増えることを私も期待してます!続編行きましたので、そちらにもお付き合い頂きたいです! (2018年7月25日 10時) (レス) id: 7df48d7d67 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ライ→みなみ(プロフ) - 名無しさんさん» 返信遅くなりました、すみません。コメントありがとうございます!!続編行きましたので、そちらの方もお願いします!! (2018年7月25日 10時) (レス) id: 7df48d7d67 (このIDを非表示/違反報告)
夜月ライ→みなみ(プロフ) - 。さん» コメント返信遅くなりました、すみません。リクエストありがとうございます!!続編の方で優先して書かせていただきます。更新をお待ちください (2018年7月25日 10時) (レス) id: 7df48d7d67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜月 来-ヤヅキ ライ- | 作成日時:2018年1月1日 20時