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「どうだ、俺と付き合って」
「付き合いません」
「何故……？まさか、ふ、振られ……？」
「いや、普通初めて会って数分の人とは付き合いませんから」
「だが、脳というのはその人物が恋愛対象に相応しいか5秒以内に判断するそうだぞ？」
「それとこれとは違います」
振る振らないの前に、寧ろドン引き。
初対面ですよ、分かってるんですか。好きだ、ならまだしも愛してる、まで言われるともう無理ですって。
キャパオーバーですから。
堂々とした告白宣言のあと。
彼は降りてきてすぐに、女性陣の並をかき分けて私の下へ。
返事を聞かせてくれ、と言うものだから仕方なく返事をした。私達を野次馬共が取り囲む中で。
恥ずかしすぎる。穴があったら入りたい。
「うう……なんと玉砕か」
「玉砕そりゃするでしょうね。あ、それ以上近づかないでください」
「何故だ」
「あなたは今、私の中で変質者のカテゴリに分類されたので」
「変質者ではないぞ、至って普通の人間だ」
「初対面で愛してる発言をぶちかますヤツが普通なわけないでしょうに」
「愛してる」
「やめろ、話すな」
「ほう、それが素の姿か。実に俺好みだ」
「ジリジリ近寄るな！」
一歩一歩こちらへ歩み寄ってくる。
最初の印象はとても素敵な美しい男子かと思ったのに、蓋を開ければ一目惚れだの、愛してるだの、トンデモ発言をしてくる奴だとは。
人とは見かけによらない。
それに私に一目惚れ？私はよく周りの人間から「表情筋が死んでいる」と揶揄されることはある。
だからあまり親しい友人も数が少ない。
そして明るく、きゃぴきゃぴとした人種かと言われると、私はそちら側ではない。
何故だ。何故こうなった。
「一ついいですか」
「なんだ？」
「一目惚れって言いましたよね。本当ですか？」
「ああ、言った。だが、ちと語弊だな」
「語弊？」
一目惚れのどこに語弊があるというのだろうか。
いつの間にか野次馬共は消えていた。チラチラと私達へ視線を横しながら通り過ぎる者、遠くから見てくる者。
傍観者はそれぐらいだ。きっと会話は耳に入っていない。様子を見るだけだろう。
「これぐらいの人の中なら、俺の声も喧騒に紛れ周りには聞こえぬだろう」と彼はぼやく。
「あ、の」
「良いか、これは俺とお前の秘密だ」
「はい？」
「俺はお主に会ったことがある。前世でな」
はい…………？
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名もない茶葉(プロフ) - みなつきさん» 好みと言って頂き嬉しい限りです！更新頑張ります、コメントありがとうございました＊ (2018年6月8日 17時) (
レス) id: f4334200be (このIDを非表示/違反報告)
みなつき(プロフ) - 初コメ失礼しますー！いつも楽しみに拝見させていただいてます♪とても私好みの作品で更新がいつも楽しみです！これからも頑張ってください〜！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: 3e3a2fbf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名もない茶葉 | 作成日時：2018年5月22日 1時
