１０話 ページ10
家主の二人が外に出て取り残されたリヴァイとミケは、ふぅと息をついた。
「…とりあえず、だ。俺たちの情報を合わせるぞ」
「…そうだな」
二人共、引っかかっていたのだ。先程憐歌に問われた時の、答えの差に。
『…俺の最後の記憶は、ウォール・ローゼの南西あたりにある家屋だ』
『俺は…壁外だ』
壁外と、ローゼ内。この違いは何か。それは『ここ』に来る前二人が共にいた訳では無い事にも起因すること。
「俺は…死んだはずだな？」
ミケの問いかけに、リヴァイが舌打ちで答える。獣の巨人…ジークが初めて確認された時、ミケは行方不明となっていた。104期からの報告を元に死亡と判断したのは、数ヶ月後のことだ。
「アレから、何があった？巨人は？」
「…色々ありすぎて、昼までに全てを話し切るのは無理だ」
「女型は捕まえたのか？」
「…あぁ」
「では、お前は何故壁外にいた？壁外のどこから、ここに来たんだ？」
「そのあたりの記憶が曖昧だ。マーレのヤツらと戦っていたことは確かだが…」
聞き覚えのない名前が出てきても、ミケは問いかけなかった。この男は、必要な情報はきちんと話すと信じているからだ。
「死ぬかもしれん…と一瞬考えた」
「つまり、俺たちの共通点は『死を感じた』ということか」
「そのようだな。まぁ…なぜ俺たちだけが、という疑問は残るが」
「それは……確かに」
沈黙が走る。ミケが立ち上がり、キッチンから水をいれたコップを持って戻ってきた。差し出されたそれを、リヴァイは一息に飲み干す。
「……静かなところだ。まるで超大型に襲撃される前の壁内だな」
鋭い目が、都内の閑静な住宅街の景色を窓から眺めた。その後ろで、穏やかな目も窓越しの景色を見つめる。
「すごいな…随分と高い建物がある」
「あぁ」
遠くに見える高層ビルの影に、夢なのではないかと思いたくなった。
(だが痛みもあれば怪我もして血も流れる、そんな夢はない)
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カイリ(プロフ) - 結衣さん» 私からも、お知らせありがとうございました。ご冥福をお祈りします (2017年8月30日 21時) (
レス) id: e91033920e (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 結衣さん» お知らせありがとうございます。お名前を外させていただきました。リル様のご冥福をお祈りします。 (2017年8月30日 9時) (レス) id: 0aa059a6b7 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - リルは私の友達なのだけれど、この作品が出来た頃に交通事故で遠い空に旅立ったのだからこの小説のことはどうにもできません (2017年8月25日 0時) (レス) id: 12a171e478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイリ＆灯霧
x他2人 | 作成日時：2017年5月13日 22時
