４５話 ページ45
熱めのシャワーを浴びた後、長い髪をタオルで包みリビングに戻る。ちょうどミケとリヴァイが片付けを済ませ、ベランダから室内へと移動して飲み直していた。
「悪い、寝ちまって」
「全くだ。弱いなら飲むな」
「それは琴音。普段ならこんなすぐ寝落ちなんてしないよ」
「そうなのか。…その琴音だが、部屋に運んでおいた」
「あぁ、サンキュ」
ミケにひらりと手を振り応え、憐歌はすれ違いざまに缶ビールを掻っ攫ってベランダに出た。手にしたタバコを口にくわえ火をつける。
「おい」
「んぁ？」
「また寝ちまうだろうが。せめて自分の部屋で飲め」
「だが断る。…へーきだよ、シャワー浴びて頭も冴えた」
開いた窓越しに話しかけてくるリヴァイの苦言を聞き流し、彼を飛び越してワインを飲むミケに目をやった。
「ミケ」
「なんだ？」
「アンタ、嗅覚が鋭いとか言っていたな。具体的に、どんな感じなんだ？」
「…そう言われてもな…」
「例えば、私のタバコの匂いは、どのくらい離れていると感じない、とか」
「…障害物が何も無いのなら、五十メートルは分かる」
「犬か」
「人間だ」
思わず突っ込んだら真顔で返された。ふーん、と言いながらビールを飲む憐歌に、舌打ちをしたリヴァイが背後に立つ。
「お前はガキか？」
「は？」
「ぽたぽたぽたぽた、うぜぇ」
いきなりタオルを引っ張られ、タバコを遠ざけたところを狙ったように視界が覆われた。続いてやや乱暴に、がしがしと濡れている髪を拭かれる。
「こんなに長い髪なんだ、もう少し水気を切れ」
「あー…いつもドライヤー使ってるけど、今日は面倒くさくて」
「どらいやー？なんだそれは」
「簡単に言うと、風が出てくる機械…か」
一通り水気を拭き取るリヴァイの手が止まった。その隙にタバコを揉み消してリビングに逃げ込む。ついでにミケの向かいの椅子も占領して。
「よし、今日は朝まで付き合え二人共」
「……朝までか」
「おい、まだ終わってねぇ」
「リヴァイの力が強すぎて痛いから断る」
こうして三人は、夜通し酒盛りへと突入した。
(意外に楽しかった)
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カイリ(プロフ) - 結衣さん» 私からも、お知らせありがとうございました。ご冥福をお祈りします (2017年8月30日 21時) (
レス) id: e91033920e (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 結衣さん» お知らせありがとうございます。お名前を外させていただきました。リル様のご冥福をお祈りします。 (2017年8月30日 9時) (レス) id: 0aa059a6b7 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - リルは私の友達なのだけれど、この作品が出来た頃に交通事故で遠い空に旅立ったのだからこの小説のことはどうにもできません (2017年8月25日 0時) (レス) id: 12a171e478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイリ＆灯霧
x他2人 | 作成日時：2017年5月13日 22時
