４３話 ページ43
帰ってきた時、二人は大荷物を抱えていた。
「ただいま……」
「戻ったぞ。……くそ、重ぇ…」
「おかえり、お姉、リヴァイさん！」
「おかえり。……どうした、その大荷物は」
玄関先で出迎えた琴音とミケが、荷物の大きさに驚く。それを横目にあーとかうーとか唸る憐歌の背中を、リヴァイが靴を脱いでから蹴り飛ばした。
「いっ！」
「なにモジモジしてやがる。言うことがあるんだろうが」
「蹴ること無いだろ……、あの、さ。琴音、ミケ」
文句を言った憐歌の呼びかけに、二人はさらに驚いた。今まで憐歌が二人の名前を呼んだことは、無かったのだ。目を丸くしていると、思い切り頭を下げられた。
「リヴァイには言ったけど、八つ当たりしてごめん」
「…俺は気にしていない」
「もう一度やったら、怒るよ？」
驚きの後は、微笑み。ふっと笑う二人に、憐歌は照れくさそうに頬を引っ掻く。
「それで、二人共夕飯まだだろ？今日は私が腕によりかけて作るから、その…」
「酒盛りだとよ。ミケと琴音は、部屋を片付けて食卓をベランダに運べ」
「ベランダに？」
「天気もいいし…うちのテーブル、元々ふたり用のだから、四人で食べるには狭すぎるだろ。ベランダなら、一応四人並べるし、ベランダにあるデッキに布かければテーブル代わりになるから」
「なるほど、親睦会か」
「いいね！やろう！ミケさん、まずベランダ少し片付けよ！」
「あぁ」
「俺たちは、飯の準備だ」
「……うん」
「また泣くか？随分泣き虫だな」
「誰が泣くか！…さっきなことは、絶対話すなよ」
「さぁな」
「っ、この！」
和気あいあいと宴会場の準備をする琴音とミケ、言い合いながらキッチンに立つ憐歌とリヴァイ。それぞれがそれぞれの気持ちを秘めながら、その後親睦会という名の宴会が始まる。ビールやワインというミケたちにも馴染みのある洋酒に合わせて作られた、洋風の食事とつまみ。チーズや生ハムなどもちゃっかり用意してあり、思いのほか豪華な内容に琴音が憐歌を見た。
「こんなに…高かったんじゃないの？」
「仕事はこのあともあるし、今回もかなり入ったからな。それに詫びの気持ちもあるし、こんなもんだろ」
「お姉は、リヴァイさんたちのこと、まだ邪魔だって思ってる？」
グラスやシルバーを並べる二人を見つめ、横にいる琴音に肩をすくめる。
「他人であることに変わりはないよ。でも…まぁ、少しは信じてやってもいい」
「そっか…！」
(少しだけな)
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カイリ(プロフ) - 結衣さん» 私からも、お知らせありがとうございました。ご冥福をお祈りします (2017年8月30日 21時) (
レス) id: e91033920e (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 結衣さん» お知らせありがとうございます。お名前を外させていただきました。リル様のご冥福をお祈りします。 (2017年8月30日 9時) (レス) id: 0aa059a6b7 (このIDを非表示/違反報告)
結衣 - リルは私の友達なのだけれど、この作品が出来た頃に交通事故で遠い空に旅立ったのだからこの小説のことはどうにもできません (2017年8月25日 0時) (レス) id: 12a171e478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カイリ＆灯霧
x他2人 | 作成日時：2017年5月13日 22時
