45回 ページ11
師範はこう続ける。
｢最初は、鬼殺隊に相応しい剣士としてらお主を育てるつもりだった。
それが、儂の使命じゃからな｣
｢……ええ、心得ています｣
｢お主と初めて会った時、なんと無愛想で、不躾な子供じゃと思ってのう｣
私は自分の失態を思い出し、顔に熱が集まるのを感じた。
あの桃の木々は、今では葉を落とし、再び実を付ける為の準備をしている。
｢し、師範？ 桃を盗み食いしようとした事、まだ怒っていらっしゃるのですか？｣
恐る恐る様子を伺えば、｢まさか｣とでも言うように、師範は笑った。
私はほっと胸を撫で下ろす。
｢お主をみて、儂にはすぐに理解した。
『この子は、普通ではない』
とな｣
｢それは、私が、闇の呼吸の後継者だと見抜いていたからですか？｣
不思議に思って、師範に尋ねる。
｢闇の呼吸なんぞ、伝説上のものとしか思っておらんかったし、最初は半信半疑でのう。
それでも、もし本当に呼吸の使い手ならば、これ以上の好機はないと思うて、衣食住の面倒を見て、お主に稽古を付けた。
思った通り、お主はその後継者であった。
けどな……、儂は素直に喜ぶことが出来なかった。
それどころか、このまま、Aに鍛錬を続けさせて良いのかと、ずっと悩んでおった｣
一つ一つの言葉を丁寧に、絞り出すように、師範は語った。
その表情はあまりに切なく、今まで師範が負ってきた苦悩を物語っていた。
続く
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瑠夏(プロフ) - かなとさん» 申し訳ございませんでした。オリジナルフラグを外して、公開設定を下書きにしたつもりだったのですが、手違いで全体公開、オリジナルフラグが立ったままの状態になってしまっていました。不快な思いをさせてしまい、すみません。 (2019年9月23日 15時) (
レス) id: fa645de6ca (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか？ (2019年9月23日 14時) (レス) id: 1e7c2ecc39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠夏 | 作成日時：2019年9月23日 14時
