ふたりの教室（赤） (ページ37)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:20,542 hit

36 ページ37

月日は流れわたしたちは無事に高校三年生になった。

先生は今まで以上に進路という言葉を口に出すようになり

生徒達も今まで以上に大学だの就職だの、将来のことを語り出すようになった。

正直、退屈で窮屈で仕方が無い。

でも、それでも少しだけ救われてること。

それは、すばると同じクラスになったという事だ。

二年生の時は一緒にいる時間が限られていた。

登下校のとき、お昼休みの時。

それくらいしか、私たちのふたりの時間はなかった。

でも今じゃ、年がら年中一緒の空間にいることが出来る。

なんて、しあわせなの、

すばるがいるだけで、この窮屈なクラスで過ごすのが少しだけ楽だ。

「ねぇ、すばる」

『ん、...』

話しかけても目をうっすら開けてまた寝てしまう。

「また、寝てるの、」

どこにいても眠いんだなぁ、

こんなガヤガヤうるさい教室でも寝れるなんて逆に尊敬よ。

すばるが寝てると、わたしはただただその横ですばるの寝顔を見てることしか出来なくて

正直暇なんだけど、

それでも、ひとりでいるよりはずっと心に余裕が出来た。

本当に、わたしはすばるに依存してしまったようだ。