# 事情聴取 ページ4
「で、何があったん」
曇っているからだろうか、人はおらず
3人で独占していた。
「私から話しますね、端的に」
少し息を吸って話し始めた。
「宮とクラスの馬鹿げたノリに巻き込まれて
此奴に私のファーストキスを奪われました。」
「事故やんか!!」
「事故だろうが関係ないし、馬鹿が。」
「A、落ち着き」
北さんに言われて、私は口を噤む。
「で、侑。」
今まで私の方に向いていた瞳は、
宮に向けられた。
「……はい」
「今の話はほんまか?」
「事故ですけど、ほんまです」
「ほうか」
沈黙が続く
「…言うてもキスですし、初めても
二回目もあんま変わらんとちゃいます?」
「は!?ちょっ」
反論しようとした私を手で止めて、
今まで見た事ないような冷酷な瞳を
自身の後輩に向ける北さん。
「本気で言うとるんならシバくで?」
シバく 。
この3文字の重みは勿論、
平和主義でしっかり者の北さんから
発せられたという事実が体を硬直させる。
「はよし。」
「大変申し訳ございません」
「俺やない、Aや」
宮は、心底嫌そうな表情で私に向き直り
頭を下げた。
「大変申し訳ございませんでした」
「許さないよ」
「はぁ!?」
がばっと顔を上げた宮。
当たり前だ、どうせ明日には
此奴、忘れてる。
「ちゃんと謝ったやろが」
「私はこの人生で好きな人と
ファーストキスするっている夢が
一生叶わないんだよ 」
「お前いい加減にせんと…」
「何するん?」
「…いえ」
歯切れが悪い宮。
「ええか、侑 。
Aが許してくれるまで、
“ ちゃんとやんねん ” 」
そう言って颯爽と去っていった北さん。
「かっこよ」
ぼそっと零れた独り言 。
「おい」
低い声が目の前から聞こえた。
「何」
「格好ええ言えるんならもう
許してくれてもええやろ!?」
どんな顔して部活行けばええねん!
北さんに合わせる顔があらへん!!
目の前で騒いでる。
「宮」
「なんや」
「ちゃんとやれよ」
「ウザイわお前!!」
「気が合うね、私も君の事嫌い」
「はぁ!?」
「ま、私は許す気ないから。」
北さんに怒られたくないなら、精々
ちゃんと私に許して貰えるように
頑張ったら?
……許す気なんて全然ないけどね。
心の中でそう言っていると、
予鈴が聞こえた。
それじゃ、と 、私はクラスへと歩を進めた
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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2024年2月16日 0時