# 唐突な悪口 ページ18
ぱちっと目を開けると、既に日は
暮れているようで、部屋は暗かった。
近くにあったリモコンで電気をつけると
「…まじ?」
宮がすぐ側で、椅子に座ったまま寝ていた。
小さな机には、ゼリー飲料やら
薬局の風邪薬、冷えピタ等が置いてあった。
唖然と固まっていると宮はバランスを
崩したのかびくっとなり、その拍子に
目を覚ました。
「起きたんか」
目を擦り、私を確認する。
「うん。」
「お前、いきなり倒れんなや」
「ごめん…。宮が運んでくれたんだよね、
ありがとう」
「…やけに素直やな」
「お礼くらい言えるし」
そう思って目線を外すと、動かした記憶のない
アルバムが目に入る。
「…そんなに私の過去知りたかったわけ?」
「……すまん」
“なんであんなに楽しげな写真やのに
バレー辞めたんや”
そう言いたげな瞳で私を見つめてきた。
「…そんなに聞きたいなら教えるよ。」
誰にも話さなかった私の中学時代 、
私の過去をね 。
「私は女バレのセッターだった。
チームメイトとも仲良く真剣に取り組めてたし
信用してた。でも、大会前に私が足の怪我をして
試合に出れなかった。結果私たちのチームは
負けた。私は皆から責められた。
だから中学でバレーを辞めた。
そして今年に入ってから、地元から少し
離れたこの高校に入学。
公園でボールに触れていたその日、
私は、一人親の母が病気で亡くなったことを
公園帰りの電話で知った。」
一気に話し切ってから、少し息を吐いて
再度口を開く。
「バレーに夢中で、信頼も友情も
母も失った。気づいたら誰も傍に居なかった。
これ以上バレーに関わっていたら
バレーという競技の本来の楽しさを
憎んでしまう。そう思ったから、バレーから
身を引いたのよ」
話しきってから、それまで逸らしていた
目線を彼に戻す。
少しふっと笑って、微笑みかけてみた。
「よくある話よ。
馬鹿な中学生が、大切なものを失った。
ただそれだけ」
“何か聞きたいことは?”
そう聞くと、宮はそれまで黙って聞いて
いたのにも関わらず大きく息を吐いた。
そして飛んできた一言。
「…お前、アホちゃうか」
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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/
作成日時:2024年2月16日 0時