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# 限界突破 ページ17

私の願いも虚しく、もう1週間は

学校へ行けてない。

まぁ、高熱なのに家にあるお菓子だけで

生きながらえているからしょうがないが。

今日も一人スマホを見ていると、

家のチャイムが鳴った。

「はーい?」

「北信介言います。プリント

届けに来たで、出て来れそうか?」

北さん?

私は慌ててドアを開ける。

「わざわざすみませ」

って、… 嘘、でしょ 、?

「悪いな、A。

こんな真似したくなかったんやけど

侑が珍しく熱心に頼むもんやから …」

「……プリント類は?」

「これや」

「ありがとうございます」

そう言って差し出されたファイルを受け取って、

扉を閉めようとする。

しかし、足をかけられてしまって

閉められなかった。

「ここまで来たんや。ただでは帰さん」

「…なんで居んのよ」

インターホンには北さんしか見えなかったが

玄関から出ると宮侑がそこには居た。

「お前に会いに来た決まっとるやろ」

「北さん、連れて帰って下さい。

お願いします」

「…すまん、これは俺が動いたら

あかん気すんねん。」

お大事にな。と、申し訳なさそうに

去っていった北さん。

「おい」

落ちてきた声にそっと顔を上げる。

「…何」

「色々文句あんねんけど」

言葉に詰まる。

一体何を言い出すのか。

構えている私を察したのか、宮は

少し肩を落として言った。

「……何を弱々しくなっとんねん」

「は?」

何、こいつ。

「構うなって言ったはずだろ」

「俺が選んだ道や」

「その道に私は必要ない」

「そんなん俺が決めることやし」

風が私たちの間を吹き抜ける。

このままでは、

きっと風邪は悪化することだろう。

私は観念して扉を大きく開けた。

「…とりあえず入って」

「ええん?」

「いいから。早く。」

お邪魔しまーす、と入ってきた宮。

同年代を家に居れるなんて、いつぶりだろう。

それこそ、中学時代……

そこまで考えて、私は頭痛にやられた。

そりゃそうだ。

この一週間、高熱で、ほぼ何も飲食

していない状態で外に出て言い合いを

していたんだから。

体力に限界が来るのも当たり前である。

私は立っていることが出来ず

その場にしゃがみこんだ。

先に入っていた宮は、驚いた様子。

「どしたん…?」

日頃のように煩くない。

頭に響かない優しい声を最後に、

私は意識を手放した。

# 唐突な悪口→←# 重症の予感



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翠恋依(プロフ) - 紗雪さん» 初めまして、こんにちは!そう言って頂き、嬉しさでいっぱいです。いい曲ですもんね、(笑)今後とも宜しく御願い致します!! (2月25日 17時) (レス) id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
紗雪 - こんにちは!もう侑がカッコ良すぎてヤバイです!!そしてユイカさんの『好きだから』って曲私も大好きです!! (2月24日 22時) (レス) @page42 id: 2d0dd09cc8 (このIDを非表示/違反報告)
翠恋依(プロフ) - 稲荷寿司さん» 再びコメントありがとう御座います!北さんの性格上、しっかりしてる子にはそれ相応の対応かなと書いていたらイケメンになりました、元の性格が良すぎて(( 内容最近少し不安だったのでそう言って頂けて安心致しました…!こちらこそ、御愛読感謝で御座います!! (2月24日 21時) (レス) @page41 id: 3e15d03f64 (このIDを非表示/違反報告)
稲荷寿司 - うおぉぉぉ!!北さんが!!イケメンすぎます!!お話のテンポも良くて読みやすくもう何周もしてます!この作品産んでくださりまじでありがとうございます…(拝) (2月24日 19時) (レス) @page40 id: 4a29f8a2b6 (このIDを非表示/違反報告)
ハルスケ(プロフ) - 翠恋依さん» やっぱり天才です!! (2月24日 16時) (レス) id: 55b59344d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:翠恋依 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/d21db535ba2/  
作成日時:2024年2月16日 0時

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