生徒会長命令、適応外［ 桃 ］

# 分かった事 ページ2

「神名さん？」

『はーい』

「逃げないで？」

『無理でーす』

「なんで？」

『お説教嫌いなんですよね』

「なら叱らないから止まって？」

『あ、ならいいです。

言いましたからね』

そうして鬼ごっこ中断 。

肩で息をする先輩をみて私は大きく

深呼吸して落ち着いた。

『息切れ大丈夫ですか？』

「うるさいっ…誰のせいだとっ……

思ってんの……！？」

『追いかけたのは先輩の意思です』

「君のせいね」

『放っとけばいいじゃないですか』

私1人逃したところで何も無いだろうに。

窓ガラス割ったりしてる訳でもなし、

なにか傷害事件を起こしてる訳でもなし。

ただ “ ちょっとだけ ”時間と

校則にルーズなだけだ。

「神名さん放っといたらいつか大怪我

しそうじゃん」

『そんないきなり車道に飛び出したりとか

しませんよ』

「焦って階段から落ちたりさ」

『……あるかもですね』

すっかり呼吸が整った先輩にそう言うと、

大きなため息をつかれた。

「俺も厳しくはしたくないけど、

後輩に怪我はさせたくないよ？」

『大丈夫ですってー』

「どーだか …… 。とにかく、

校則は守りなさい！」

ビシッとそう言った先輩。

『気が向いたら、ですね。それじゃ、

次の授業始まるんで失礼しますっ』

「あ、ちょっと！？」

まだ話は終わっていない、というような

声色の先輩。

私は聞こえていないふりをして

自身の教室へと足を向けた。

今日学んだことはひとつ。

何かって？そんなの決まってる。



















“ 先輩は 、すごいお人好し って事(笑) ”



















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またのお越しを。

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