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「入るわよ」
ドアを開け教室を除くと、そこには先日私を助けてくれた男の子たちがいた。
私は少しだけ彼らを見回し直ぐに下を向いた。
「新しい生徒を紹介するわ、みんな前に出てきて。」
そう言われてその4人は加藤先生と私の前に並んだ。
向こうも先日の私の事に気がついた様子で驚いていた。
私は彼らにお礼を言わずに逃げてしまったことを後悔していて4人の顔が見れなかった。
加藤先生は「紹介するわね」と言い4人の自己紹介をしてくれた。上杉くんと黒木くんと小塚くん、そして若武くん。
それぞれがどの教科が得意でどんな子なのかを端的に正確に説明してくれた。
「で、この子は佐伯A。
順位で名前を見るから知ってる子もいるかもだけど、英語の成績が秀明でもトップクラス。
他の原語もできるマルチリンガルよ。
今週からクラスに参加するからみんな仲良くね。」
先生が大袈裟に私の紹介をし
それを私を一点に見つめて来る彼ら。
私は目を合わせないようにずっと床を見ていた。
きっと男の子だけだったクラスに女が混ざって来たから歓迎されないだろうし、私も彼らとどう仲良くしていけばいいかまるで分からなかった。
「じゃあ佐伯さん、今週からこのクラスでも頑張ってね」
そう言い残し立ち去ろうとした加藤先生に
必死に救いの眼差しを求めた。
「ふふっ、そんな不安な顔しなくても大丈夫よ
みんなあなたを取って食おうだなんて思ってないわ、
ね?」
加藤先生は少し微笑み彼らに問いかけた。
すると彼らもクスッと笑いまた私を見た。
(どうしよう、、、
私はこのクラスで上手くやって行けるんだろうか、)
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作者名:おはる | 作成日時:2023年5月24日 22時