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「でもあんな態度取られてちゃ会話すらできねぇよ、
黒木!佐伯Aの情報は持ってないのか?」
ありとあらゆるところにネットワークがあり
知り合いが多いことで「対人関係のエキスパート」と呼ばれている。
「確か3年前に引っ越してきて秀明に来ているはず。
中学は双葉女子、部活等は入っていない。
男女共に交友関係が薄く秀明内で仲のいい人はいない。
人との交流を避けているところがあるみたいだね。
それに学校や秀明の行き帰りは両親が車で送り迎えをしているみたい。
そのくらいかな」
黒木がそう話すとほかの3人はさすが、と言わんばかりに黒木を見つめた。
色々な情報網を持っている彼は謎が多い
「人との関わりを完全に避けてる感じだね、」
たった2回あっただけの相手をこれだけ気にかけれるのは彼らのいい所だ。
探偵チームを組んで色んな人の力になる活動をしている彼らはきっと彼女の力になりたいとそれぞれが思っていた。
「そういう何らかのトラウマを持っているやつは過去に傷つけられた事があって、それが心に残ってるからだよ。
その傷を癒さなきゃビクつきは治らない。
癒す方法の一つが、思いっきり甘やかすことだと俺は思うんだ。だから優しくする。
若武、あいつに乱暴な言葉を使ったり急に大きな声を出したり近づいたりするのは控えるんだな」
その優しい言葉に誰もが驚いていた。
元々、女嫌いがある上杉がビクビクした女をここまで丁重に扱うのは珍しかったからだ。
ただ1人黒木だけはクスッと笑いこう続けた。
「上杉先生ってトラウマ持った奴好きだからね」
上杉は少し耳を赤くして
「そんなんじゃねぇ、」
そう呟いたのだった。
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作者名:おはる | 作成日時:2023年5月24日 22時