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『ねぇ、前の学校ってどんなだったの?』
『私達とカラオケ行かない?』
『ねぇ、どんなのが好きなの?』

初日は女からの質問攻めにあった
あぁ、面倒臭い
何も答えず黙って本を読んでひたすら質問の雨に無視をした。
そしたらその内こんな話が出回った

『彼奴はきっと前の学校で虐められてたのよ。』

『暗くて不気味で陰気臭い子。本が友達なのかしら』

全く、これだから女は面倒臭い
勝手に仮説を立ててはそれを周りに広めたがる。

あぁ、面倒だな。そう思い続けやっと一日が終わりかける。日が沈みかけ、夕暮れが本当は美しいこんな日に生憎にも太陽に雲がかり、雨が降っている。

持ってきた傘をさして、帰ろうと一歩

「ねぇ」

其処で声を掛けられては、校舎内に視線を戻す

「なに?」

「傘に入れてくれよ」

先刻雨が好きか聞いてきた男が私に声掛けたらしい

「やだっていったら?」

「仕方ないから濡れて帰る」

流石に私のせいでこいつが風邪でも引いたら面目がない。
一つ分かりやすく溜息をついて

「入れてあげる」

「サンキュ」

雨の中、人二人が一つの傘に入るなんせ狭くて肩が濡れる

結局私も濡れるならこんな奴入れるんじゃなかったと後悔するも、今更出ていけなんて言える訳がない

「なぁ、今日の雨なんか違うと思わないか?」

突然雨音の中に声を聞いた
男が私に話し掛けてきただけだった。

「あ?雨なんてどれも一緒だよ」

「いいや、今日の雨はなんか悲しそうで何時もより鳥肌が立つんだ」

片手を傘の外に出し、雨に当てる
勿論、手は雨の水で濡れていく
それをただ見詰め乍

「寒いだけだよ」

その言葉を最後に私の初日は終わった。

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設定タグ: , シリアス , ヤンデレ気味   
作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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作者名:海が見たい | 作成日時:2017年5月7日 21時

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