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山田とは日曜も一緒に過ごし、それから連休明け。
いつも通り火曜日に出勤した。
「伊野尾さん、今年度の予算見積もりが出来たので確認していただけますか」
優秀な部下のおかげで、俺は楽に仕事が出来ている。
さっき持ってきてくれた部下だって、まだ入社4年とかなのに…。ありがたい。
「神田くん、よく出来てるよ!!ありがとう!あ、これは俺が社長に直接持ってくよ」
「分かりました、ありがとうございます!」
ま、山田のことも気になるし。社長室のある15階へ向かった。
.
「なぁ、この3連休何してた?」
聞こえたのは薮の声だった。
…それも、少し怒りを含んだ低い声。
「えっと…」
山田は当然のように困ってる。
俺とのことを言うか、迷ってんだろうなぁ。
優しいから、本当のことを言いたいんだろうけど、薮には嫌われたくないんだよね。
なら、俺が言ってあげよ。
「俺といたよ」
薮も山田も驚いた顔で俺の方に振り向いた。
「伊野尾…なんでお前が…」
「え?販売課の部長として今年度の見積もりを提出しに来たんだよ?」
手に持っている書類を見せた。
もちろん、質問の意味がこれじゃないことは分かってる。
「そうじゃなくて、何でお前が涼介といたの?」
「何でって…自分が悪いんじゃない?日曜のデート、山田はすっごく楽しみにしてた。なのにドタキャンしたじゃん」
「い、伊野尾さん、俺大丈夫ですっ」
山田が訴えかけてきたけど、言わないと薮に分かってもらえない。
このままじゃ、ずっと都合の良いやつなんだよ。
俺は、山田に幸せになってほしい。
「…涼介のシャツから伊野尾の匂いがするのは、そのせいなのか?」
「そうだよ。俺といたから」
何をしたかは言わない。
それだけは、約束だから。
「金曜だって、薮をここで見送ってから…」
「伊野尾さん、やめて下さい」
言いかけてたけど、涙声の山田に遮られた。
「俺を見送ってから何かあったのか…?」
「山田、1人で泣いてた」
そこまで言うと、山田は社長室を飛び出した。
「涼介!」
「山田!」
呼んだけど、戻っては来なかった。
俺も薮も、すぐには追いかけなかった。
今の俺と薮の関係があるからこそ言える、忠告だった。
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るぅ。(プロフ) - コメント失礼します!本編を読みたいのですが、作者ページを見ても出てきませんでした。R18は他の作品で閲覧しているのですが、作品名を教えて頂けませんか? (2017年9月15日 4時) (レス) id: 8a862d5fb2 (このIDを非表示/違反報告)
子猫丸(プロフ) - ぽっぷこーんさん» わかりました。ありがとうございます (2017年7月16日 8時) (レス) id: d59f6a9eff (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷこーん(プロフ) - 子猫丸さん» おそらくR18作品は閲覧出来ないのではないでしょうか??そうだとすれば、私も閲覧を促すようなことは言えないです(;^_^ (2017年7月16日 8時) (レス) id: f1fc94d5f0 (このIDを非表示/違反報告)
子猫丸(プロフ) - ぽっぷこーんさん» 調べても出てこないんですがどうしたらいいでしょうか (2017年7月15日 22時) (レス) id: d59f6a9eff (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷこーん(プロフ) - 子猫丸さん» そうです!! (2017年7月15日 22時) (レス) id: f1fc94d5f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽっぷこーん | 作成日時:2017年4月23日 16時