先生と忘れ物 ページ20
放課後、職員室は騒がしかったので準備室でバラム先生と会話をしていた。
「いやぁ、あの小さかったAちゃんがこんなに立派になるなんて思わなかったよ」
「私も近所にいたバラム先生が、こんなに凄い悪魔だとは思わなかった!」
実は、バラム先生とはバビルスに入る前の知り合いだった。近所のお兄さんで、白髪の大きな木のような優しさを持っていて私はよく懐いていたらしい。
しばらく会話をした後、私は帰宅することにした。バラム先生に別れを告げ、学校を出た時準備室に忘れ物をしたことに気が付いた。
教科書だ、無いと勉強が出来ない。
私は急いで準備室に戻ると、準備室から声が聞こえた。
バラム先生とカルエゴくんのようだ。
「今日はAちゃん、僕の所に来てたよ」
どうやら、私の話をしてるようだ。思わず耳を傾けてしまう。
「前々から気になっていたが、シチロウはAの知り合いだったのか?」
「近所の子供だったんだよ〜。凄く良い子でね、僕を怖がらなかったんだ」
そういえば、確かにそうだった。
バラム先生は体が大きかったため、近所の子供は寄っていなかったが私はあの表情は雰囲気で近寄っていた。私には仲のいい悪魔もいなかったし、自然とそうなったんだろう。
「随分前から知っているのだな…」
「もしかして、Aちゃんのこと気になるの?」
「誤解するなよ、教師としてだ」
「ふーん…よし、Aちゃん出ておいで」
私は名前を急に呼ばれ、驚きながらもゆっくりと扉を開けた。
そう言えば、バラム先生には色々バレるんだよね。
「帰ったんじゃなかったのか?」
「忘れ物しちゃったんだよ、そこに教科書ある?」
バラム先生はこれだね、と言って渡してくれる。
そして何処となく気まずい空気が流れて、私は思わず大きな声で言った。
「私!何も聞いてないので!」
そして、全力で走って逃げた。
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - めちゃ好き、、、、完結だ、、 (5月6日 23時) (レス) @page35 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 朱莉さん» ドキドキしていただけたなら嬉しいです!完結までありがとうございました! (2022年9月22日 19時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
朱莉(プロフ) - 完結お疲れ様でした!!陰ながら読ませて頂いていて、毎回更新される度にドキドキしてました!!!いい作品を書いて下さりありがとうございます!!! (2022年9月22日 6時) (レス) @page35 id: 4569dbbd6e (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 霰さん» ありがとうございます!やる気が出てきます!更新頑張ります!! (2022年8月23日 16時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
霰 - 頬が緩んじゃいました!更新まってます!がんばってください (2022年8月23日 15時) (レス) @page14 id: 5d8ece0cb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花道時代 | 作成日時:2022年8月15日 15時