その瞳に秘めるものは Ⅲ 【ドラコ・マルフォイ】 (ページ19)

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クラシカルなムードとは打って変わりロックバンドの登場により場はノリノリの音楽が鳴り響いていた

私達もその音に合わせて周りにもみくちゃにされながら踊り狂う

大人びた服装をしていても心から楽しそうに笑う彼は年相応で柔らかい

『ちょっと休憩！疲れちゃった』

ド｢そうだな。飲み物を取ってこよう｣

『ありがとう』

優しく手を引かれ集団から出ると一気に熱は冷めていく

ド｢ここで待っていてくれ｣

『うん』

ちょうどハーマイオニーも休憩中なのかハリー、ロンの横に腰掛けていた

『おーい、……』

だが声を掛けるよりも先にハーマイオニーは立ち上がりビクトール・クラムの元へ行ってしまった

ハ｢リア、相手は？｣

『ドラコなら飲み物取りに行ってる』

ロ｢君正気か！？｣

『十分正気よ｡彼とても優しいよ』

ハ｢それは君にだけさ｣

俯き目を合わせないハリーにすぐ何か言いたいのだと気づいた

『言いたいことがあるなら目を見て言って？ハリー』

ハ｢大した事じゃないよ、ドレス凄く似合ってる｣

『ありがとう、ハリーもタキシード決まってるね。それで？』

ハ｢君、本当は心が読めるの？｣

『そんなわけないじゃない』

本気で思ったのか片眉を上げて不思議がるハリーに早く本題を言って、と急かす

ハ｢…談話室でシリウスと話した時"パーティーの夜は天文台がオススメ"って言われたんだけど、どういう意味か分かる？｣

その言葉に何だか聞いたことある……と記憶を遡ってﾋﾟﾝと来た

『全く、お父様ったら本当に私とハリーを家族にしたいみたいね』

ハ｢ぇ、それって｣

ド｢リア！君はじっとしていられないのか｣

グラスを2つ持ったドラコは不機嫌気味に私の元に歩いてきた

『たったの数歩じゃない。誤差でしょ？』

ド｢君の事だ、あの集団にまた戻ったのかと思っただろ｣

手渡されたグラスに口を付けまだ小言を言いそうなドラコの手を引いて大広間の入口へと踵を向けた

『もう、せっかく楽しい時間なんだから怒るのは無し！』

ド｢怒らせてるのは君だろう！｣

外に出るとカップルや解散した人達がちらほらとお喋りを楽しんでいる

そんな中迷わず天文台へと歩く

ド｢今度はどこに行く気だ？｣

『お父様がおすすめしてくれた場所』