その瞳に秘めるものは Ⅲ 【ドラコ・マルフォイ】 (ページ21)

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□ 小さな不安ページ21

予想外にも談話室には人気が無く暖炉の灯りだけがゆらゆらと揺れている

『ソファに座っていてくれ、温かい飲み物を持ってくる』

夢｢うん｣

ティーカップに紅茶を注ぎリアのいるソファへと向かう

夢｢ありがとう、ドラコ｣

『少しは温まったか？』

夢｢うん、ジャケット綺麗にして返すね｣

『僕が勝手に掛けただけだ、その必要は無い』

夢｢そう？じゃあここに置いておくわ｣

本当に暖かくなった様でシワがつかないようにソファにジャケットを掛けて紅茶を啜った

湯気が立つティーカップの水面を覗き先程の出来事を思い返す

『なぁ、リア』

夢｢ん？｣

『いや……やっぱりなんでもない』

彼女の父親の名を聞いた時、心底ホッとしている自分がいた

やはりリアは純血だった

しかもブラックの性は僕なんかよりももっと高貴な貴族じゃないか

だけどすぐに我に帰り彼女との交際がそう簡単ではない事を理解してしまった

ブラックはブラックでもシリウス・ブラックは違う

代々スリザリンの家系に泥を塗った男

そしてリアの母親は例のあの人に楯突く存在の闇祓い

……父上はこのことを知っていたのだろうか

夢｢………………ドラコってば！｣

『ｯ！なんだ、そんな大声じゃなくても聞こえる！』

夢｢嘘、私何度も呼んけど心ここに在らずだった｣

彼女の美しい碧の瞳と目が合う

怒った様子でこちらを見ているがどこか不安そうにも見えた

『少し考え事をしてただけだ』

夢｢何か悩みがあるなら聞くよ？｣

『大丈夫』

夢｢そう？｣

『あぁ、、それでどうかしたか』

夢｢えっと、次の試合ドラコと一緒に見たいなって思ったんだけど、どう？｣

名案でしょ？と言わんばかりの言い方に少しだけ気が楽になった気がした

『勿論。僕の横で見るのを許可してやる』

夢｢何で上からなのよ｣