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【中庭】

『(教室から鏡舎まで地味に遠いのよね)』

中庭を突っ切って鏡舎へ行こうとすれば箒を手に掃除をしている生徒と……狸


『(この子が噂の新入生……)ねぇ』

「!?……はい?」


声をかけられたことに驚きを隠せない様子



「(何だろう…って女の人?!ここ男子校なんじゃ)」

「なんだお前!俺様たちは今掃除してるんだゾ!」


『ええ、見たらわかるわ。貴方、噂の新入生くんよね?私はA・ノワールよ』

ユ「ぁ、ユウです!こっちは」

グ「グリム様だゾ!」


『へぇ、ユウくんとグリムね。今はお昼の時間だけど食べないの?』

ユ「僕達雑用係で生徒じゃないので、皆さんが食べ終わってから余りを貰おうかと」


『そう……無理はしないよう頑張って』

ユ「は、はい!」


フワッと微笑んで去っていくAの後ろ姿にユウは顔を赤く染めて見届けた




【オクタヴィネル寮──モストロ・ラウンジ】


ここが開くのは放課後からのため今は大人っぽい音楽は流れていない


『(……開いてない。電気も付いてないし、まだ来てないのかな?)』



ア「誰です?」

『(ビクッ)って、アズールくんか』


後ろからオクタヴィネル寮、寮長のアズールが現れる


ア「その声はAさんではないですか。申し訳ありませんがモストロ・ラウンジの開店は放課後からですよ。ご相談でしたらその時に」


『いや、そうじゃなくて』



フ「あー!ゴマちゃんいたぁ」

ジ「先にこちらにいらしてたのですね」

ものすごい勢いで後ろから抱きついてくるフロイドとそれを微笑ましく見ているジェイドの姿が現れる


『……2人が来てって言ったんじゃない』


ジ「フフ、そうですね」

フ「俺たちゴマちゃんが忘れてるかもしれないからって教室まで行ったんだよ」


『えっ、じゃあ入れ違いだったのね』



フ「いないから大食堂まで行ってぇ、またいないからこっち来てみたの」

『なら教室で待ってれば良かったわ』

ジ「ここにもいなければどうしようかと思いましたが一安心ですね」




フ「ねぇ〜腹減ったァ。飯〜」

ア「ここで食べるんですか?なら電気と戸締りを忘れないように」

ジ「はい。アズールは食べていかないのですか?」

ア「私は次の飛行術の準備があるので失礼します」


『ほんとアズールくんは勉強熱心ね。ならまた今度一緒に食べましょう』


ア「っ、これくらい普通です!」


褒めたのに顔を赤くしてアズールはモストロ・ラウンジから出ていってしまった

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作者名:かるーあ | 作成日時:2020年5月16日 22時

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