相席10(高校生) ページ10
『あれ、露伴?珍しいねこんなところで会うなんて』
岸「…うるさいな、別に会いたくなんてなかったさ」
『…は?』
ある日の帰り道。
いつもならこの道の途中で露伴と会うことなんて滅多にない。
だから珍しいねという意味で声をかけたのに、なんだその反応。
私の怒りの反応にお構いなく、ずかずかとこちらに歩んでくる。
私の肩を掴んで、迫真の顔で私に訴えかけた。
岸「別に君に会いにきたわけじゃあない。まだ原稿も終わってないんだ、そんな暇あるか」
『…露伴じゃないでしょ、誰?』
そう言うとぱっと顔を明るくした。
まるで待っていたと言うように。
岸「はぁ?僕は僕だ。君存外鈍感なんだな」
『露伴がこの時間に原稿終わってないわけないでしょ。終わってなかったとして放ったらかして出てくるわけない』
岸「しつこいぞ!君のそういうところが嫌いなんだ!」
『行動と言葉が一致してないし。それに露伴はそんなこと言わない』
胸ぐらを掴んで、ぐっと露伴の体を引き寄せる。
『…お前は誰なの?露伴はどこ』
返しなさいよ、と睨みつけた。
私ができる限りの、精一杯の怖い顔で。
岸「…可愛くないな、君は。そういうところが嫌いだった」
『反対の言葉を言っちゃうとか?そういうスタンド?解除方法は?』
岸「一体何を言ってるんだ?解除方法なんてないさ」
『本体探すか…仗助呼ぶね』
胸ぐらを掴んだまま学校へUターンする。
女子高生が大人を引きずっている絵面が、おかしな人と思われなければいいが。
東「…で、俺のところに来たってわけね」
『そう。本体探すの手伝ってくれないかな?』
東「良いっスよ。…にしても反対言葉ねえ。なあ露伴、俺のこと好き?」
岸「…君には前から好感持ってたさ。そのリーゼントもセンス良いよなァ」
東「ダッハハ!!嫌そーなカオ!!」
『感情が伴わないのが幸いしたよ』
その後なんとか本体を見つけ出し、私たちは露伴を元に戻した。
協力してくれた仗助に礼を言い、私たちは2人で帰っていた。
岸「…悪い」
『いいよ、寧ろ逆なら愛伝わったし』
岸「…僕は自分に書き込めないし、君に見せる手段もない。証明の手段がない」
『そんなのいらない。露伴のこと信じてる』
岸「…好きだから、ちゃんと」
『うん』
露伴が焦ったような顔で弁解する様子は珍しい。
少し笑いながら彼の手を取ると、安堵のため息を漏らすのが可笑しくて、また笑ってしまったのだった。
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しゃけなすび - 更新されてる!尊みが深い!主人公の包容力ェ...お体に気をつけて、更新頑張ってください!! (2022年9月28日 20時) (レス) @page10 id: e3cfd56ac4 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - しゃけなすびさん» ありがとうございます〜!!!ながらく止まってましてすみません… (2022年9月28日 4時) (レス) @page9 id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけなすび - はい最高~~~~~。熟年すぎるだろこのカップル。なんなのも~~~~。尊すぎる~~~~~。そしてそんな尊みが深い作品を書いてくださってるつかさんに感謝しかありません。ほんとに好きです...体に気をつけて頑張ってください! (2022年6月27日 17時) (レス) @page8 id: e3cfd56ac4 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - Nologic_jcatさん» ありがとうございます〜!!見てくださると…思っていましたよ……… (2022年6月17日 14時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nologic_jcat(プロフ) - 過保護気味露伴になってるのホント喜んで泣いちゃう勢いです……、好きです。神作品の続きをありがとうございます…、 (2022年6月16日 1時) (レス) @page7 id: 43713de11f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つか | 作成日時:2022年6月13日 0時