相席1(高校生) ページ1
岸｢A、よく来たな｣
『そりゃまあ呼び出されたし…で、どうかしたの？』
公園なんて珍しい、と辺りを見渡して言った。
露伴が私を呼びつけるのは珍しいことじゃないけど、公園ってのは初めてかもしれない。
とはいえ夕方なので、子供どころか人もだいぶまばらだけど。
岸｢なんてことはないさ。君のスケッチをさせてくれ｣
『…写真じゃなくて？』
岸｢ああ、写真じゃだめだ。写らないからな｣
君のスタンドは、と露伴は私を指差す。
なるほどそういうこと。
確かに室内じゃ扱いづらいもんね。
『別にいいけど、私の植物は私の想像で成り立ってるから構造とか矛盾だらけだよ』
岸｢それでいいんだ。創作植物ってのは考えるのは楽しいけど一人の想像力じゃあ限度があるからな｣
『確かに、他人の想像ってのは分かんないもんね』
そういうことならと私は了承した。
露伴のインスピレーションに関われるなら、いちファンとしてそして恋人として、これほど嬉しいことはない。
露伴が集中して見ている間、私は色んな植物を生み出し続けた。
岸｢…中々悪くなかった。だが僕は植物って言ったよな？君ほとんど花しか出してなかったじゃないか｣
『…え、うそ。無意識だったかも』
岸｢まあいいか、これはこれでよかった｣
それにしても、と私が創り出した花のひとつを取ってふっと笑う。
岸｢愛情表現ととっていいのか？これ｣
『え、どういうこと』
岸｢散らばってる花をよく見てみろよ。アネモネにバラにアザレア…全部愛の花言葉を持つ花だ｣
もちろんそんな花だけじゃないけど。
言われてみればそんな花ばっかり。
ぶわっと顔に熱が集まる。
無意識だっただけに、余計に恥ずかしい。
岸｢いいなその顔、スケッチしておこう｣
『最低！』
岸｢今の君に何言われたって滑稽なだけだぜ｣
しゃかしゃかと鉛筆を動かす音が聞こえる。
本当に描いてやがる、こいつ。
『…花言葉詳しいんだね』
岸｢基礎知識としてな｣
ふとその場にしゃがんで、一本の花を手に取り、私に差し出した。
その花は、バラのようでバラじゃない花。
真っ赤な花びらがこれでもかと主張している。
岸｢…この花はバラじゃないが、バラってやつには贈る本数で意味があったりしてな｣
『へえ、そうなの』
岸｢…その様子じゃあ知らないんだな｣
お子ちゃまめ、と私にバラを押し付けて立ち去る。
後に意味を調べて悶絶する私がいたのは、言うまでもない。
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しゃけなすび - 更新されてる！尊みが深い！主人公の包容力ｪ．．．お体に気をつけて、更新頑張ってください！！ (2022年9月28日 20時) (
レス) @page10 id: e3cfd56ac4 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - しゃけなすびさん» ありがとうございます〜！！！ながらく止まってましてすみません… (2022年9月28日 4時) (レス) @page9 id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけなすび - はい最高~~~~~。熟年すぎるだろこのカップル。なんなのも~~~~。尊すぎる~~~~~。そしてそんな尊みが深い作品を書いてくださってるつかさんに感謝しかありません。ほんとに好きです...体に気をつけて頑張ってください！ (2022年6月27日 17時) (レス) @page8 id: e3cfd56ac4 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - Nologic_jcatさん» ありがとうございます〜！！見てくださると…思っていましたよ……… (2022年6月17日 14時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nologic_jcat(プロフ) - 過保護気味露伴になってるのホント喜んで泣いちゃう勢いです……、好きです。神作品の続きをありがとうございます…、 (2022年6月16日 1時) (レス) @page7 id: 43713de11f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つか | 作成日時：2022年6月13日 0時
