どうやら人は ページ43
隆二 side
憎くて仕方がなかった。
自分も、周りも、この世界の全てが。
「痛ぇなてめぇ！どこ見て歩いてんだよ！」
『…あ？』
「き、気をつけろよっ、」
足早に歩いてく男に舌打ちする。
…つまんねぇ。
商店街のコンビニのゴミ箱に、しわくちゃになった履歴書を丸めて捨てた
『バイト募集してないんですよ、じゃねぇよ』
店の前に募集チラシ貼ってただろうが。
履歴書に目を通すだけで、他人の表情が変わるのは慣れた。その後の流れも、作り笑顔を貼り付けるか、わざとらしい申し訳なさそうな顔をするかどっちかだ。
小さく舌打ちをして、真昼間の商店街を歩いていると、後から何かが倒れる音がして、
『…』
ジャガイモが転がってきた。
「ばあちゃん！大丈夫か！」
「あら、申し訳ないねぇ、すみません…」
「いいよばあちゃん、無理すんなって、」
「あっちにも転がっちゃってるー」
「あら、大変だ…どれどれ、」
「あー、俺取りに行くわ、」
『(うるせぇ…)』
振り向くと、俺の少し後ろでジャガイモを拾う男と目が合った
「…お前…あの時の死にたがりじゃねぇか！元気か？」
あの雨の降る夜、最初に俺の肋骨を蹴り折った男が、ジロジロと俺を見る
『お前、頭おかしいんじゃねぇの』
睨みつけそう言う俺に、ジャガイモを手で弄びながら
「元気そうだな」
と笑う。
その後方で、見覚えのある顔の男達が散らばったジャガイモを拾い集めていた。
「あ、悪ぃ…そこのジャガイモ取ってくんね？」
腕いっぱいにジャガイモを抱えた男が、顎で俺の横に転がるジャガイモ達を指す。
『…てめぇで取れ』
「おい」
踵を返して、去ろうとした瞬間、低い声が俺の足を止めた。
振り向くと険しい表情で俺を睨む男
「ババァが芋ぶちまけて困ってんだよ、手助けすんのが筋ってもんだろうが。察しろやクソガキ。」
『てめぇが筋語んじゃねぇよ』
「…」
「あらあら、こんなところまで、」
俺たちの間に流れる、殺伐とした空気を嗄れた声が砕く
『…』
「お兄ちゃん、ちょっとごめんね、どっこいしょ…」
目の前で、腰を抑えてジャガイモを拾い上げようとしたババァに、無意識に手を伸ばしていた
『…ほら、ばーちゃん、』
皺のよったババァの手にジャガイモを押し付けると、頭を下げるババァ。
男達の視線を感じたまま踵を返す。
この地域までこいつらのシマかよ。
足早に去ろうとしていた俺の肩を後から勢いよく掴んだ手が止めた
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happytaimama(プロフ) - 今晩は。こちらの作品何度も読み返して読ませてもらっています。続きを読みたいので、パスワードを教えていただけますか？宜しくお願いします。 (2月16日 18時) (
レス) id: 4f1df4c5a4 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 感動しました。 (2020年12月16日 14時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - もう更新はないのでしょうか……？ (2019年1月25日 23時) (レス) id: 5703e26db8 (このIDを非表示/違反報告)
м i i(プロフ) - 続き楽しみにしています！！ (2018年12月28日 1時) (レス) id: 223aa4411e (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 待ってますすすすby mj (2018年12月24日 18時) (レス) id: 866e6acc2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jiu.
| 作成日時：2017年11月22日 11時
