▽ ページ39
「昔の今市は、今じゃ想像つかないくらい凄かったんだよ」
話についていけない私に、いたずらっぽい笑みで告げるケンチくん。
『昔？』
「今市がこの家来る前。俺らと出会った時ぐらい。」
丸くなったな？、と隆二くんを見てからかうようにケンチくんが笑うと、
「若かっただけっすよ、」
そう言って、苦笑する隆二くん。
『待って、色々分かんない…』
確かに、そもそもこの家に来た時の隆二くんは
『確かに、あんまり喋ったりしなかったけど…』
あれ、でも、
『広臣くんと、隆二くんは、昔から知り合いで、』
「知り合いじゃねーよ」
すぐさま否定する広臣くんを無視して、頭を抱える。
『でも、隆二くんがこの家に来たのって…』
「登坂より後だね」
『んー、混乱、』
ケンチくんは隆二くんの昔を知っていて、
隆二くんは広臣くんと知り合いで、
昔の隆二くんは、凶暴？
「知りたい？昔の隆二がどんなだったか」
食器拭きを終えた広臣くんが、布巾を水切りカゴに投げ、口角を上げる。
あ、悪い顔してる…
「おい臣！」
何、すごく気になる
『知りたい！』
「大した話じゃねぇから」
『だって、伝説ってケンチくんが！』
隆二くんに食いつく私に、ケンチくんは笑って、灰皿に煙草を押し付けると、出口へ向かう
「教えてあげなよ」
『うんうんうん！』
「ただ、…Aの人生に役立つ程度でな」
出口の前で振り向いて隆二くんを見たケンチくんが、目を細めて笑う。
『？、』
「俺も聞きたいところだけど、風呂当番だわ…残念。」
ケンチくんが扉を閉めた後、沈黙した隆二くんと広臣くん。
『隆二くん！』
二人に向き直り興味津々で隆二くんを見上げた私に、隆二くんが小さくため息をついた。
「まじで面白ぇ話じゃねぇから」
台所の椅子に腰掛け、セブンスターのボックスから煙草を取り出す隆二くん
さっきまでケンチくんがいた換気扇の下で、広臣くんも煙草に火をつける
『あ、…もしかして、あんまり聞かない方がいい？』
苦笑をする隆二くんを覗き込んでそう言うと、ライターを手にしたまま、私を見つめる隆二くん
『聞かない方が、いいならいいよ…』
興味本位は、良くないことは知ってるつもりだ。
「別にそういうんじゃねぇんだけど、まじでつまんねぇからさ、」
『つまんない昔の話ってあるの？』
素朴な疑問をぶつけた私をじっと見つめた隆二くんは、
「じゃあ、話聞いた後、Aが決めて」
そう言って笑って、煙草に火をつけた。
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happytaimama(プロフ) - 今晩は。こちらの作品何度も読み返して読ませてもらっています。続きを読みたいので、パスワードを教えていただけますか？宜しくお願いします。 (2月16日 18時) (
レス) id: 4f1df4c5a4 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 感動しました。 (2020年12月16日 14時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - もう更新はないのでしょうか……？ (2019年1月25日 23時) (レス) id: 5703e26db8 (このIDを非表示/違反報告)
м i i(プロフ) - 続き楽しみにしています！！ (2018年12月28日 1時) (レス) id: 223aa4411e (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 待ってますすすすby mj (2018年12月24日 18時) (レス) id: 866e6acc2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jiu.
| 作成日時：2017年11月22日 11時
