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「えっ、この間は寄り戻す気はないって。」
『いつも本音を言えなかったの。あの時のことを繰り返すことが嫌だった。だからといってマサイ以外の人を好きになることもできなかった。それにマサイの言ってること少し分からなくて。』
「俺の言ってること?」
『そう。だってマサイはずっと私のこと守ってくれていたでしょ?なのに傍にいて守りたいとかおかしいでしょう。それにじゃあどうしてもっと早く言ってくれなかったの?って思っちゃって。』
「ごめん。俺もあの時のこと少し思ってて。でもモトキに誰かに取られるかもって言われたことあって……。」
『それで言ったんだ。』
「あぁ。遅くなって本当にごめん。」
『うん、本当に遅いんだから。私じゃなかったら遅すぎるから無理って言われちゃうよ?』
私は笑顔でマサイに言った。
さっきの涙はもう乾いていて、そんな私の顔を見たマサイも安心したような顔をして笑った。
「これからまた彼氏としてよろしくな。今度は絶対幸せにするから。」
『うん!こちらこそよろしくね。言ったかんね。絶対幸せにしてよね。絶対だよ?』
「おう、もちろん!」
そう交わして私たちはあの時できなかったキスをした。
私のファーストキスの味は明確には分からなかったけど、言うなら幸せの味かな。
「きちんとメンバーとスタッフのみんなにも報告しような。」
『うん。賛成してくれるかな?』
「当たり前だろ。大丈夫だ。安心しろ。」
『うん。』
「A。」
『ん?』
「もう1回。」
『えっ。んっ……。』
それからマサイは何回も私にキスをした。
あの時できなかった分を取り戻すかのようにたくさん。
恥ずかしかったけどマサイに求められるのが嬉しくて幸せで。
ずっとこんな時が続けばいいそう思った。
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作者名:夢 | 作成日時:2023年1月21日 2時