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｢だからどうもこうもねぇよ。ただAのことが好きだから言った。それだけ。｣
『この間言ってた好きな人って……。』
｢もちろんAのことだよ。｣
真っ直ぐな瞳で私のことを見つめるマサイ。
もちろん冗談だとは思わなかった。
『なんで……なんで私なの。』
なんで私なのか分からなかった。
嘘じゃないって分かる……だから理由が知りたい。
｢やっぱり俺がAの傍にいて守りたいから。Aの笑顔が好きだから。｣
私の笑顔……
私を守りたい？
『私たち中学の頃1回別れてるじゃん。』
｢分かってる。あの時は俺がガキだったから……恋愛のこととかよく分からなかったし。てか今もあんまりよく分かってねぇんだけどさ。｣
マサイは泣きそうな顔で話を続けた。
｢友達だったらめんどくさいこともなくて楽しく楽な関係で居られるって思ってた。けど結局気まづいまんまだったしAはフイッシャーズに入ってくんなかったし俺はAのこと好きなまんまで……。全部間違いだったんだって気づいた。｣
『私よく分かんないよ。』
じゃあもっと早く言ってくれれば良かったじゃん。
マサイはずっと守ってくれてたじゃん。
今のマサイの考えていること言ってることが分からない。
｢本当にごめん。もう一度やり直したい。｣
『もうあの頃には戻れないよ。』
｢俺はそれでもやり直したい。｣
『やっぱり上手くいかなくってもう一度別れたらどうするの？今私はフイッシャーズにいる。このグループを嫌な雰囲気にしたくない。自分の居場所を失いたくない！』
Aは泣きながら自分の思っていることをマサイにぶつけた。
｢俺はもう別れる気はない。ずっとAの傍にいる。だからお願いだ。返事は今すぐじゃなくてもいいから。｣
『マサイのばか。なんでそんなこと言うの？あの時もそう言って結局友達に戻ろうって言ってきたんじゃん！』
Aは泣きながらマサイの家を飛び出した。
｢あっおい！A！はぁくそっ……。｣
『マサイのばか……アホ……。今さら好きって言われても困るよ。』
外に出ると雨が降っていた。
冬の雨は冷たくて……でも今の気持ちにはちょうど良くて少しだけ温かく感じた。
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作者名：夢 | 作成日時：2023年1月21日 2時
