72.おこがましい ページ22
「まるで昼ドラを見ているような家族関係でな、あの女の子の母親は本当の母ではなく義母で
父親は血が繋がっているが、娘とはかなり不仲らしい」
高杉「……」
初めて知った
確かに父親とは何かあったとは思っていたが、母親が別なのは知らなかった……
あぁ、だからあの人がAに似てないわけだ
「……だが、ここからが本題だ」
父は深く煙を吸い、ゆっくりと吐き出す
父は信じられないようなことをつらつらと語り始めた
Aの本当の母親と弟は事故で亡くなったこと
その2人が亡くなった直後に、Aの父親が他の女と交際していたこと
今さっき、Aが家から追い出されたこと
父の言葉に、一瞬「冗談だろ?」と言いたくなったが、真剣な顔をしてるこいつが冗談を言っているようには見えなくて、俺は口を噤んだ
「あの父親が『娘と暮らすのはもう限界、空気が重くなる』とか言っていたな。何にしても身勝手な話だ」
父は一通り話終えると、フゥっと煙を吹かす
俺は状況が呑み込めなくて、ただただシーツを両手で強く握り締めていた
なんでだ?
あいつは何も悪いことしてないじゃないか
うるさくて、バカだけど
優しいやつだった
てか『一緒に居て空気が重くなる』って、本当に自分勝手な理由じゃないか
Aも父親とは気まずかったかもしれないけど
あいつは絶対、本当に父が嫌いじゃなかったはずだ__
考えれば考えるほど心の黒い部分が溢れ出す
理不尽極まりない
高杉「……俺あのAの父親殴ってくる」
今じゃあの中坊の事は忘れ
Aの父親に、腹が立って仕方がなかった
俺はベッドから起き上がろうとしたが、父さんがそれを許さなかった
「晋助。他人の家の事情に、口を出すんじゃない。」
高杉「でも!こんなのおかしいじゃねぇか」
「世の中、あの家の様に家庭が崩れている者は沢山いる。それを他人がどうこう言うのは、おこがましいだろう?」
「頭の良いお前なら言ってる意味は分かるな」と、こういう時だけ俺を優遇するこいつが嫌いだ
高杉「………Aは、今どこにいる?」
「さあな、どこか施設に行くと言っていたから、もう会えないだろう」
高杉「そうか」
Aはこうなる事を知っていたのか
『またね』と言って手を振ったAの表情が、少しだけ寂しそうだったのを思い出した___
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みみ(プロフ) - 土方と銀時さん» ありがとうございます!! (2020年4月1日 18時) (レス) id: d8555eea61 (このIDを非表示/違反報告)
土方と銀時 - 絵も上手いわ〜!応援してます♪コノヤロ〜!!! (2019年1月6日 11時) (レス) id: a123232f86 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - 土方と銀時さん» はぁあぁぁありがとうごさいますぅぅう!!(´;ω;`)私本当に現金な糞野郎でコメントが本当に力の源になるんです(日本語おかしい)これからも見てくれると嬉しみが極まりますぞコノヤロー!!! (2019年1月5日 23時) (レス) id: 77b2aff7ea (このIDを非表示/違反報告)
土方と銀時 - 神だwwとてつもなく面白いんですけど!?応援してますよ、コノヤロー! (2019年1月5日 22時) (レス) id: a123232f86 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 更新待ってます! (2018年12月14日 17時) (レス) id: 6fdf847faa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふくふく | 作成日時:2018年8月1日 21時