イエローリップ・ストーリー【S.S】３’ (ページ32)

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＃１０２ページ32

「ごめんなさいっ…、そう思うのは当然なのに、すごく…つらかった…」
「Aが謝ることじゃないよ、無神経でごめん…」
「ちがう、翔さん悪くないんだってば…」
「A、」

自分は悪い、と繰り返すから俺はAの名前を呼んだ。

Aはまた目を腫らしていた。

「これからこうやって壁にぶち当たることはたくさんある、そんなときはA一人じゃなくて一緒に乗り越えよう。

Aが一人で苦しんだり悲しんだりするのは、俺も嫌だから。

全部半分こして、一緒に。Aはひとりじゃないから。

だって、俺の叶えたい夢には全部Aがいるんだから。」

俺はそう言ってAを優しく抱きしめた。

Aは謝らなかった。

代わりに俺を包み込んでくれた。

「リハビリ…行く、まだ立つ練習だけど…翔さん、そんな私を見て呆れたりしない…？」
「呆れるわけないよ、頑張ってるAを見てそんなこと思うはずがない。」
「わかった…私、翔さんを信じてるからね…？」
「あぁ、信じてていいよ。」
「車椅子…持ってきて…」

Aは目をゴシゴシと拭くから、俺が優しく涙を拭ってあげた。

するとAは幸せそうに笑うんだ。

こんな幸せそうな笑顔をする彼女に呆れたり嘲笑ったりするわけない。