イエローリップ・ストーリー【S.S】３’ (ページ2)

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＃７２ページ2

Aが、屋上でお菓子を食べたいというので売店でお菓子を買ってから屋上へと昇った。

「ドキドキする…」
「そんなにうれしい？」
「うん！私、外大好きなんです！」

そうか、彼女はアウトドアなんだ。

ならば退院して歩けるようになればたくさん散歩をしよう。

ドライブして海にでも行こう。

キャンプなんかも楽しそうだ。

Aと過ごす時間がいくらあっても足りないほど、Aとのこれからを沢山夢見てる。

今はAが屋上で嬉しそうにしている姿を目に焼き付けたいな。

「このドアを開けたら外だよ。」
「早く開けてくださいよ～！」
「だって、可愛くて。じらしたくなる。」
「も～やだ～(笑)」

そんなこと言ってるけど、まんざらでもない表情してんの。

もうなんていうか、ダメ。

「っ…急にチューは恥ずかしい！」
「だって、可愛かったから。」
「かわいくないです！」
「そうゆうとこ。」

ホントに幸せ一言で済ませるのがもったいないくらい幸せな気分だ。

唐突にキスをしたことが腑に落ちないAをよそに、俺は屋上へとつながるドアを開けた。

「あっ！」

ドアを開ける音を聞いたその時、Aの目がぱあっと光輝いた。