テンダーサイン７’ 【N.K】 (ページ25)

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２３５．自慢。ページ25

リビングへと向かうと予想通り智くんは私のエプロンをつけて二人分の朝ご飯兼昼ご飯を作っていた。

「おはよ。」
「はよ…やっぱり、料理できるんじゃん。」
「これくらいはできるよ。」

智くんは「これくらい」と言うけど、そんなのさらっとできる男子なかなかいないと思う。

智くんがいる朝はとても新鮮で、好意がないにせよ「智くんと同居してたら…」っていう妄想を沢山した。

多分、すっごい頼りがいがあって、いつも助けてくれてずっと味方をしてくれるそんな安心できる彼氏さんなんだと思う。

いや、現にそうだったんだからきっとこれからもそうなんだと思うけど。

智くんの未来の彼女さんに智くんのいいところを全部伝えたいくらい、そんな自慢の人。

「ん、出来たよ。Aって寝起きでもご飯は食えたよな？」
「うん、食べれる。」

智くんと数少ない、一夜を共にした経験。

目覚めてのおはようなんてきっと数えるほどだし、一緒に朝ご飯なんて旅行くらいなんじゃないかって思う。

それでも智くんは私の小さなことに対してもちゃんと覚えてくれていた。

そういう細かいところまで覚えている人が気持ち悪いって思う人もいるかもしれないけど、私はそんな智くんが心地よくてたまらなかった。