テンダーサイン７’ 【N.K】 (ページ1)

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２１１．１番。ページ1

あの時と変わらない笑顔。

優しくて柔らかくて、その笑顔を見るだけで落ち着く。

「久しぶり。」

まるで、今まで連絡していたかのような平然とした挨拶。

そんな気まぐれなところもあの頃と変わってなくて、やっぱり泣きそうになった。

・

私は心が窮屈になるほど、1度だけ苦しいほど人を好きになった。

その人は出会った時からちょっと不思議なオーラで人を魅了していた。

友達が多いってわけじゃないし、社交的ってわけじゃないけどなぜか人気者だった。

後々知ったけど、彼は相当女子から人気があったらしい。

そんな素振り一切見せないし、何か噂があるってわけじゃなかったけど。

彼は…智くんは私の初めての恋人だった。

高校１年の終わりに私が告白した。

それから、智くんといると心が落ち着いたり、癒されたり、時間がゆっくりと過ぎていくように感じた。

智くんは私のいろんな初めてを貰ってくれた。

付き合うということ。

手を繋ぐこと。

デートをするっていうこと。

キスすること。

体を重ねること。

私の初めては全部智くん色に染められた。

本当に大好きだった。

彼もそれなりに愛情表現をしてくれた。

でも、そんな私たちにも終わりは待っていた。