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佐倉蜜柑side
「それにしても、蛍でさえ届かんスペシャルはほんまに凄いんやろうな。」
「初等部では二人だけ。」
「へ?」
「蒼井Aちゃんと日向棗くんだけなんだ。」
星階級の説明中、それを聞いたうちは絶句した。
(あ、有り得へん!アイツ等が蛍や委員長よりも上やなんて!)
「Aと棗が幹部生?!」
「うん。」
「な、何でや!二人共めっちゃ悪い奴やんか!」
うちがそう言うと、パーマが勢いよく立ち上がってうちに反論してきた。
「失礼な事言わないで!あの才能があれば多少の悪事は些細な事よ!あの二人は天才。アンタなんかとは格が違うのよ!」
「そうやけど…」
「アンタがどんな手を使って鳴海先生を丸め込んだかは知らないけど、あたし達は認めないから。」
ふんっ、とそっぽ向きながら座り直したパーマ。
(何やアイツ、偉そうに。)
「例えどんなアリスであろうと、嫌な奴は嫌な奴や!可愛い顔して毒吐くし、暴力的やし!それから、それから────」
『それから?』
「それから?」
そう言ううちの背後から、聞き覚えのある少しくぐもった声が聞こえた。
「────顔がムカつく!」
振り返るとそこには、白猫のお面を着けたAと、黒猫のお面を着けた棗が立っていた。おまけに手を繋いでる。
(…Aは黙ってたら素直に可愛いと思えるし、棗もまあ顔は悪く無い。つまり、二人お似合いなのがまたムカつく!)
「で、出た────!」
『何ジロジロ見てんの、キモい。』
「だから何でAはそんなに辛辣なんや!」
そう叫んだうちを無視して通り過ぎて行く棗の後ろを、Aが追いかける。
「結局二人共捕まっちゃった訳か、彼に。」
鳴海先生が通り過ぎる二人にそう言うと、棗は鬱陶しそうに「煩え。」と一言返した。
「痛っ…」
『棗!』
「棗、大丈夫か?」
黒猫のお面からピカッと光る電気みたいなのが見えた。瞬間、棗は痛みに耐える様に呻いた。周りのクラスメイト曰く、校則を破ろうとすると電流が流れるらしい。成る程、だから痛がってたんか。
「ああ、大丈夫だ。心配すんな。それよりA、お前は大丈夫なのかよ。」
「そうだよA!大丈夫なの?」
『わ、私は大丈夫だってば!』
「なら、隠してる右腕見せてよ。」
『ちょっ、やだ…!んんっ、ど、どこ触ってんの流架!』
「おい流架。」
「お、俺はそんなつもりじゃ…!」
お前等、イチャつくなら他所でやれ!!
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名無し67465号(プロフ) - とっても面白いです!!3人の関係とか…ナルの今後とかほんとに楽しみです!更新待ってます! (6月10日 1時) (レス) @page40 id: 4d7900bf24 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私、愛され&逆ハー大好物なので嬉しいです!学園アリスのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月27日 6時) (レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
MIMI(プロフ) - とっても面白かったです!忙しいと思いますが、続き読むの楽しみにしてます!! (2020年6月25日 6時) (レス) id: f110a4bf7d (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 学園アリス、初めて読んだけどとても面白かったです。お忙しいとは思いますが、無理をせずに更新頑張ってください!応援してます!! (2020年4月18日 22時) (レス) id: 314144f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
Σ(・д・) - とっても面白いです!続き頑張って下さい! (2018年2月26日 22時) (レス) id: b4b3e9b57b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マダム・リリー x他1人 | 作成日時:2017年1月21日 6時