転生トリップしたけどやっぱり俺は一般人 4【約束のネバーランド】【男主】

178.『あ"っ、俺、大怪我…薬の数足りないんじゃ…』 ページ31

Aside

数分後、薬の入った大きめの木箱を見つけた。おそらく、この後地下壕へ運ぶものだろう…

俺は、中を覗いてから、すー…と息を吸い込む。

『絶対、足りない。』

怪我人の数と怪我の重さ。原作よりも早くに薬が尽きることは目に見えた。
どう考えても、原因は俺。こんな怪我をしたんだから薬を使ったのは当たり前。
絶対に足りない…どうするか…

『…薬、調合するしかねぇよな。』

この世界のご都合設定なのか、昨日走り回った時に薬草を見つけていた。
そして、俺自身こういう事態を予測してシェルターで叩き込んだ知識のほとんどは薬学。ムジカにも教わった。薬は作れる。

『そうと決まれば、薬草を取りに行く。ついでに作戦を確認する。』

そんなことを声に出してから、俺は外へ出た。

・

『っと、あった……これと、あれと……あっちのもか…』

薬草探しを初めてはや数十分。俺の手には結構な量の薬草。

これだけあれば多分、原作位にはなるはずだ。

よくよく考えれば、こんなに都合良く薬草があったこと、あの天才達(エマ、ノーマン、レイ)に農園脱獄の最後の最後まで怪しまれなかったこと、それが転生特典なのかもな。
よくある転生もの、あれは転生すると天才になってることが多い。
そういう転生特典は俺にはないのか、とか考えたこともあったけど、コレが転生特典ならコレがなかったら……

ぞくり、背筋が凍り考えるのをやめた。

『そろそろ、戻って調合しよう』

そして俺は日が昇りだし赤の強い紫色の空の下、風車へ足を動かした。

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