２０話 ページ21
目が覚めると寮のベッドで寝ていた。
それはいつもと変わりはないのだが、私の頭の中には昨晩の記憶が残っていた。
まるで幽体離脱したような感じで、自分の行動を見ていた。
そして、昨晩も一人の生徒が石にされた。
なぜ覚えているのか分からないが、
できれば覚えていたくない記憶だ。
この本さえ無ければ……
そしてAは本を女子トイレに捨てた。
本が無ければトム・リドルから解放されるかはわからないが、本を捨てた事で幾分か心が落ち着いた。
久しぶりに朝食を食べに大広間に行く。
ハリーやロン、ハーマイオニーの顔も久しぶりに見た。
そして、久しぶりの朝食を堪能していると、ドラコがやって来た。
ドラコは談話室でたまに見かけていたが、Aにはそんな余裕がなかったため、ドラコでさえも久しぶりに感じた。
ドラコ「Aが朝食の時間にいるなんて珍しい」
「そうでしょうか」
ドラコはAに談話室で懲らしめられてから、少し嫌味が減った。
Aは朝食の美味しさを噛み締めていた。
するとつい涙が出そうになる。
ただ、こんなところでは絶対に泣きたくない。
涙を堪えながら朝食を終え、授業に向かった。
あの本さえ無ければ、この生活が当たり前だった。
この生活がどれだけ幸せだったか…
私は自分勝手な行動をした。
本を捨てた事によってジニーに危険が及ぶかもしれないのに。
それに、本を別な人が拾ったらその人も苦痛を味わうことになる。
ただ、とにかく逃げたかった。
それから数日間、Aは平和な時間を過ごすことができた。
たまに幻聴や幻覚でトム・リドルが見える事はあっ
た。
しかし、ある日、目を覚ますと、自分の腕の中にはあの本があった。
それに加え、自分の身体についた傷にAはパニックを起こしかけた。
身体についた傷は擦り傷だけではなく、刃物でつけたような傷もあった。
「……嫌、」
気がつくと目の前にはトムがいた。
トム「君は約束を破った。でも、君が日記を捨ててくれたおかげで、会いたい人にも会うことができた。」
"それに免じて"とトムは続けた。
トム「ジニーは殺さない」
Aは頷いた。
トム「僕が怖かったんだろう？」
トムは優しい口調でAに問うた。
Aは俯いた。
すると暖かいものに包み込まれた。
Aは驚いた。そして、さっきとは一変して、心が落ち着いた。
それ以降、何があったかは全く覚えていない。
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とらんぺっと(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2017年12月2日 13時) (
レス) id: 85697b0f87 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 続き気になるのでどんどん更新頑張って！！ (2017年11月18日 20時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - とってもいいです！！最高！続きがとっても気になります！更新頑張って下さい!!応援しています!! (2017年11月16日 19時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
鳳仙花(プロフ) - 面白いです！！これからも更新頑張ってください！ (2017年11月12日 0時) (レス) id: cf3b027cf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：招き猫 | 作成日時：2017年11月11日 17時
