ダ メ 姉 貴 . 6 ページ6
暫く経ち2週間。
冬の寒さは抜け、次は夏の気候に入ろうとしている今の時期。
「姉さん…遅いね」
星が良く見える時間帯。只今九時過ぎ。
弟は姉を待っていた。
普通なら部活なんて入らない姉のことだ。五時には家に帰ってくるはず。せめてでも六時。
しかしいつまで経っても姉は帰ってこないのだ。流石の兄弟も心配し始めていた。
「どーする?警察呼ぶ??」
「姉さんだから呼ぶことまでないでしょ」
「誘拐されてたりしたらどうするんだ?」
「ないでしょあいつに限って」
「性格はまだしも、顔だけはいいよ」
「いや誘拐されそーになったら相手殺るって」
「…迷子とか」
「あの歳でナイナイ」
心配すると同時に姉をディスる弟。
まぁ、彼等なりの心配の仕方だ。
どうしたものかとうぬんと首を捻らせる。
やっぱり警察を呼ぶべきか。
長男は目を閉じ、いつにもない真剣さで思考を巡らせる。
「…よし。」
「どーしたの」
「探しに行こう」
「は?」
とうとう頭逝かれたか。
「俺は行く…お前らは行かないの?」
いい歳した高3の姉を何故探しにまで行かなければならないのか。
心配はしているものの、そこまでは…
それなら警察に頼んだ方が手っ取り早い。
自分らで探してもどうせ見つからないのだから時間の無駄だ。
「お前らほんと冷たいな。
大好きな姉ちゃんだろ?探さねーの?」
その皆、言葉に言い返せなくなる。
確かに、たった一人の姉だ。
好き…かどうかは分からないが。
言うことは最もだ。
「…わかった。僕は行く」
「ん…。じゃ、お前ら留守番よろしくー。姉ちゃん帰ってくるかもしんねぇからな。」
何も考えていなそうな人ほど何か考えているもの。兄さんは意外と考えてる方なのかな。
それだったら姉さんも…いや、あいつは論外。
頭の中で色々と考えながら階段を駆ける
無事見つかればいいけど…。
そんな思いを抱きながら少し古びた戸に手をかけた。
「…ぇ、なにこれ開かない」
この戸も何を考えているかわからない。
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つきの(プロフ) - むちゃくちゃ面白い!!!更新楽しみにしてます! (2018年12月25日 22時) (レス) id: 862a65ff1a (このIDを非表示/違反報告)
神崎ゆっくり(プロフ) - 面白いです!神ってる! (2018年3月20日 13時) (レス) id: e00e010666 (このIDを非表示/違反報告)
viola.(プロフ) - 面白いです!これからも頑張って下さい! (2018年1月3日 12時) (レス) id: ddc75e0171 (このIDを非表示/違反報告)
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