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3話 ページ37



公園でブランコを漕いでいると、Aがふと聞いてきた。何故マジックができるのか、だ。

正直会えたのが嬉しすぎて興奮して名前しか言ってなかったかもしれない。家族のこと言ってなかったな。

父親がマジシャンだった、と言うと納得した表情をしていた。
けれど、だった、というところが引っかかったのだろう。その様子に気がついたから、補足する。

「俺のおやじ、8年前にショーで死んだんだ」

仕組まれて暗殺されたのかもしれない、なんてことはもちろん伏せておいた。
するとAは、申し訳なさそうに謝ってきた。
気を遣わせてしまったかもしれない、と思ってAのおでこをこづいたあと、にっと笑ってブランコの立ちこぎをした。

「おやじが死んだこと思いだしても、もう泣いたりしねーよ

ま、もうおやじのショーが見れねぇのは残念だけどよ」

実際、おやじの死に関してもう感傷的になったりはしない。
ただ、おやじを殺した組織の野望を砕いてやる、そんな気持ちでいっぱいである。

まあそんなこと言うわけにいかないので、立ちこぎして前を見すえた。
このときAがどんな顔をしていたのか、俺は知らない。


…そして、数日後。
予告通りに盗みを行い、さっさとハンググライダーで退散したとき。
公園のベンチに座って泣いている人物を見つけた。
少し目を凝らせばすぐに分かった。あれはAだ。

泣いている彼女がどうしても気になって、つい話しかけてしまった。
顔を見られるといけないから、街灯(高いところ)から。

「お嬢さん、こんな夜に外へ出ると危ないですよ」

まさかAにこんなキザなセリフを言う日が来るとは。Aがキッドだ、とびっくりしてぱちぱちと瞬きをすると、さっき溜まっていた涙が流れた。

涙を流す姿に、思わずどきりとした。
どうしようもなく、抱きしめたい、と思ってしまった。

俺は気を紛らわすようにさっき盗ってきた宝石を取りだして、月の光にかざした。
やっぱこれも違うか、とため息をついた。
視線を感じてAの方を見ると、ばっちり目が合った。

俺が静かに照れていると、宝石について尋ねてきた。
俺は、さっき盗ってきたやつだけど探しているものではなかった、と答えた。

立ち去る前にハンカチをウサギの形に変えて見せれば、彼女の目は輝いた。

そしてキザな言葉を並べて俺はさっさと立ち去った。
彼女の顔がフラッシュバックする。

完全に分かってしまった。
俺は、Aが好きなんだと。




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設定キーワード:まじっく快斗 , 黒羽快斗 , 怪盗キッド   
作品ジャンル:アニメ
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みすと(プロフ) - 加々知 零さん» 黒羽快斗くん夢、書くのとても楽しかったです(つω`*)小説読んでくださりありがとうございます! (7月2日 22時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
加々知 零 - 。゚(゚´ω`゚)゚。快斗×夢主がヤバイよぉぉお!! (7月2日 21時) (レス) id: b33ef74fc2 (このIDを非表示/違反報告)
みすと(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 最後のセリフは絶対これで終わろう!って考えていたのでそう言っていただけて嬉しいです!本当に読んでくださり感想までお聞かせくださり、ありがとうございます!また何か書き始めたら覗いてってください(^^) (5月31日 19時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
みすと(プロフ) - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初めまして!!わわ、最初の頃からですか!ありがとうございます(つω`*) 書き始めたときから決めていたことですが、書いてて辛かったです…早く報われろ!!って感じで書いてました(^^) 正直黒羽快斗くんとの絡みはうまくいったか不安でならないのですが…笑 (5月31日 19時) (レス) id: 2f6679e490 (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - 残っています。これからも頑張ってください!陰ながら応援していますv(*´>ω<`*)v (5月31日 19時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みすと | 作成日時:2019年5月8日 21時

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