うちの兼さん

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「ただいま〜」
家に入る。誰の返事もない。現在、父の転勤に母がついて行ったので、両親はいない。ちょっと寂しいけど、審神者に集中できる。これは好都合だ。
手洗いうがいをしたら、二階の自分の部屋に行き、カバンを下ろしてスマホを開く。
刀剣乱舞のアプリにタップすれば、周りを光が包み込み、気づけばそこは本丸の私の部屋である。
そこには、審神者に必要な道具やパソコン、マンガ、テレビなどがある。ま、第二の私の部屋だ。


「お、主！おかえり」
兼さんが笑みを浮かべて言う。
ん？なんで兼さんがいるのかな？
「ちょうど主の部屋掃除してたんだよ。書物が散らかってたからよ」
ああ〜、そういえば読んだマンガ散らかしてたなー。
「兼さん、ありがとね」
「いいってことよ。それより…主、その格好はなんだ？」
「ん？」
兼さんはじっと私を見つめる。そういや、今は学校の制服姿だ。
「これは制服っていって、私が通ってる学び舎で決められた服のこと。可愛くない？」
そう言って、スカートをひらりとひるがえしてまわってみた。
すると、
「これは…………袴のようだが…丈が短いな…………」
と言い、兼さんがスカートに手を伸ばし、
「中は繋がっているのか？」
思いっきり捲り上げた！空中に舞うスカート。…………おい…………
「なるほど、中は繋がってないのか…………主、綺麗な足して」
バッッチーーーーーーーーーーーン！！！！！！
「なにしてんだこの野郎！！！！！！」
私の右手のひらが兼さんの頰に炸裂した。

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