世界最速の彼女は色んな人に好かれるようです？【Dr.STONE】 (ページ16)

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大樹「で、4つ目はなんだ？貝殻の重要な使い道は4つもあるって言ってたよな」

『多分、チョークの事じゃないかな。この世界じゃ、チョークって言っていいのかわかんないけど』

千空は少し驚いた表情をして、こっちを向いた

千空「合ってるけどなぁ…なんでわかった？普通の常人じゃあぜってぇにわかんねぇぞ？」

『家にあった某医療系漫画の病症に“鉄欠乏による異食症”ってのがあってね？人間、鉄分が足りなくなると変なものを食べ出すらしいんだけど、そこで食べられてたのが“チョーク”だったわけよ』

最悪チョークは食べれるって前に聞いたことあるしね、と付け足すと司はこちらを向いた

…まるでライオンに睨まれているようで少し怖かった

翌朝＿

私は今、千空の隣で海を見ている

少し遠くで大樹が貝を拾っているのが見える

司「この石の世界(ストーンワールド)は自由だ」

すると、司がおもむろに口を開いた

司「貝なんて…元々誰のものでもない。海だって、土地だって……」

まるでそれは何かを思い出すように話しているようだった

司「昔、1人の貧しい少年が手術をする妹のために貝の首飾りを作ろうとした。…妹は人魚姫が大好きだったんだ。」

司「そこへ、その場所の漁業権を持つ中年男が現れた、酒の匂いと共にね」

そこで声が急に低くなり、私は少しに恐怖を感じた

司は1つの石像の近くまで行きながらはなしをすすめる

司「貝を集めていた…いや、その男が言うには貝を“盗んでいた”少年は顔が変わるほど殴られたよ…最後まで、妹を人魚姫にはしてあげられなかった」

直感でわかった…これは司の幼少期の話だ…

司は自分の左手を見つめた後、石化した中年の男性の顔を殴り、壊した

そこで、私の恐怖はピークに達し、思わず千空の腕を組んで掴んでしまった

千空「！……分かってやってんだろうな。司、テメーは今人間1人ブチｺﾛしたんだぞ」

司「わかってるさ、もちろん」

その声が妙に明るくて…それが怖くて…

油断すると涙が出てきそうだ

司「千空、A。君たちは心の汚れた年寄りたちまで、全員助けるつもりかい？うん、彼らも最初はしおらしく感謝するだろうね。だが、文明が戻れば必ず老いた金持ちや権力者たちは“そこは俺の土地だった”“家賃を寄越せ、税を払え”とまた貧しい若者から未来を奪い取るだろう……もうそんな世界に戻しちゃいけない…」