【REBORN!】私、チェルベッロのボスです。←５ (ページ4)

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私が話し終わると、全員が黙り込んでしまった。
深刻な空気が私たちを包み込んで、息苦しくて仕方がない。

チラリとツナを視界に入れれば、見えるのは震える拳。
ごめんね、君にそんな表情をさせたかったわけじゃないんだ。
でも、入江さんが"これは仕方がないことだったんだ"と苦しそうに呟いたことを思い返すと
正しいのは確かに入江さんで、私が考えても"仕方がない"で済まされてしまう。

「…そ、そんな…。俺が、皆をこの時代に……っ…」

「10代目！騙されないでください！！Aは入江正一に騙されているだけです！」

「そうだ沢田！！入江の話に耳を傾けるな！」

獄寺とラルの言葉に、入江さんは頭をかきながらやけくそになって返答した。
彼自身ここまで必死に1人で動いてきたのにも関わらず、
誰にも認められないのは腹立たしいようだ。逆ギレが激しい。

「だからー！！君たちだけじゃなくて、全人類の危機でもあるんだよ！！
あーもう！！何で信じてくれないんだ…っ！！」

「あはは……」

全人類、だなんて広々とした言葉に思わず苦笑い。
ここに入江さんの味方はいないわけで、信じろと言っても信じられないのが現状。
ツナ側はどうでるかな…？

「…俺は、コイツの話を信じてやってもいいと思ってるゾ」

ここでようやく違う意見が飛び込んできた。
その声の主がいる方へ、ゆっくりと目を向ける。

「なっ、リボーンさん！」

「おい、リボーン！！」

獄寺とラルがすかさず声を上げる。
この用心深い二人を説得するのは、かなり難しいんだろうなあ。

「俺が感じていた疑問の答えとしては、今んとこ辻褄が合っているからな」

リボーンのこの返答に、少し驚きながらも"有難う"と伝えた入江さん。

「そうだ、君たちの敵となるのは…」

ずれた眼鏡を直しながら入江さんが続ける。
この先の言葉が分かっていてもなお、心の中で否定し続けてしまうのは
私がこの先言われるであろう人に対して私情を抱いているから。

「―――白蘭さんだ！！」

その名前が出た瞬間、心臓が嫌なほど高鳴った。
そうであってほしくなかった。彼と敵であるのを、信じたくなかった。
目を背けている現実を突きつけられた私は、思わず身につけている服を強く握りしめる。
それが無意味なことは、分っているはずなのに。