【REBORN!】私、チェルベッロのボスです。←５ (ページ25)

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山本が幻騎士とやらに勝ち、そのまま敵のターゲットに向かう。
これで安心していい……はず。
どうも嫌な予感はするけれど、スクアーロさんに鍛えられた彼だからきっと大丈夫。

……大丈夫。

「…それにしてもツナの気配がグルグルと回っているなあ」

ツナが戦っているのは霧属性だから、茶色いお面の不気味な生物かな。
きっと幻覚でツナの行く手を遮っているんだと思う。
山本はミルフィオーレのターゲットを狙いに、獄寺は基地ユニットの前で待機。
こっちの方が数が有利にもかかわらず、消えない不安が私の心をかき乱す。

「……お願い、皆。勝って」

私は祈ることしかできないの。ごめん。

＊＊＊

嫌な予感がしながらも、同時に通信をキャッチ。

『入江正一氏の標的の炎が消滅しました』

『こちらもです。デイジー氏の標的の炎も消滅と認めます』

…違う。
きっと違う……。
真6弔花といわれる最強集団に、そんなやわな奴はいない……っ。

"ハハン。早とちりですよ、審判"

私のヘッドホンに、小さいがかすかに聞こえた桔梗とやらの声。
その瞬間、嫌なくらいに汗が出る。

"やっぱり死ねないのか～"

デイジ―のそんな呟きが、ヘッドホンを通して私の耳でこだまする。
そして再び感じる炎。きっとこれが、デイジーの標的の炎だ。

「……あっ」

感じる、かすかな大空の存在を。ここに向かってきているみたい。
ユニちゃん、だっけ。心ここにあらずの状態でしか会ったことがないけれど、不思議な雰囲気を持つ少女。

「大丈夫、こんな勝負なんかで終わるわけがない。
全面対決しなきゃ、どっちも気が済まないでしょ」

一度ぐっと手を握りしめ、ツナたちの元へと急いだ。