【REBORN!】私、チェルベッロのボスです。←５ (ページ21)

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日本へはスクアーロさんが船で送ってくれた。
何で船なんだ！ジェット機よこせよ！…だなんてさすがに言えない。
船に耐性がないため、船酔いが激しい。視界がぐるぐるする。

「A、傷増えたな」

「山本こそ！顔に包帯巻いてるじゃん」

「まあ大した怪我じゃねーけどなっ」

「私も大した怪我じゃないよ！……多分」

船で山本と軽く会話した。
銃弾が掠ったところは大分治ってきた。
しかし、激しい動きをすると傷口が開いてしまう。
だからあんまり激しくは動けないな…。銃弾恐ろしすぎた。

「オイてめぇらあ！そろそろジャッポーネにつくぞお！」

「おっ！やっとか！」

「そろそろ吐きそうです…………うっ」

「おっ、おい！大丈夫かA！」

山本が私の背中をさすってくれた。さすが優しさの塊…。

山本の助けがあってか、無事に日本に到着した私たち。
並盛神社までは私と山本だけで向かうが、港から距離が遠い。
走って30分ってところかな。今の時刻は11時37分。かなり急がないと間に合いそうにない。

「A、酔いは醒めてるか？」

「だ、大丈夫……。走ってるうちに醒めてくれると思う……」

吐きそうになりながらも、休んでいる時間は1秒たりともないわけで
必死に並盛神社を目指して走る私たち。
できるだけ炎を消費しないため、スタフィーは出せない。

11時59分、突如空に出現した雷雲。そしてアドバルーンの白蘭の顔。
辺り一面青空なくせして、並盛神社の上だけが暗い。
これが10年後の技術？ちょっと進歩しすぎやしませんか？現実じゃないみたい。

『やあ、諸君♪』

頭上から白蘭の声が響き渡る。
あと少し、あと少しで着くから間に合ってくれ！！

走りながら、白蘭の言葉に耳を傾ける。
どうも、あのアドバルーンに向かって500万FVのエネルギーを放出しない限り
チョイスの舞台へは転送されないみたい。
しかもそれができないならば……、と言葉をつづけた瞬間に並盛の北山を爆発させた。

「はっ、あれ幻術じゃないよねっ……はあっ…」

体力的に限界が近い私は、幻術か否かを判断する能力が大幅に低下していた。
息切れと吐き気、そして白蘭のしたことがこんがらがってよく分からない。

『ボクから照射される光がなくなったら、タイムオーバーだからね』

そのセリフと共に、どんどん照射されている光が狭まっていく。

「A、もうひと踏ん張りだ！」

「うんっ…！」

私たちは炎を出して、その光へと飛び込んだ。